青森競輪GⅡ「第39回共同通信社杯」(優勝賞金2790万円※副賞含む)は18日の最終日、11Rで決勝戦が行われ、渡辺雄太マークから突き抜けた深谷知広(33=静岡)が優勝。2014年8月の松戸サマーナイトフェスティバル以来、9年ぶりのビッグレース制覇を達成した。

 今年は1月の大宮記念、8月の松戸記念と番手回りでチャンスをモノにした。今回も練習仲間でこれまで幾度も連係してきた渡辺に身を預け、9年ぶりのビッグVをもぎ取った。

「雄太の普段の力は分かっていたし、お互いチャンスがあると思っていた。(道中で)考えていることも一緒だったし、うまく走ってくれました」と、以心伝心の連係が最高の実を結んだ。

南関の仲間らに胴上げされる深谷知広

 これまではラインの先頭で戦うことに強いこだわりを見せていたが、昨年の伊東記念で渡辺をマークし本格的に番手回りを〝解禁〟。キメ細かな番手仕事を体に叩き込んで経験値を重ねた成果は、今回の決勝の1センターで嘉永泰斗を阻んだ動きからも伝わった。

 それもこれも2021年に移籍した南関地区の発展のため。ラインを機能させるには、自らが生まれ変わる必要があった。

「前を任す選手には、チャンスのある走りをしてほしい。ただ、行かないといけない選手の立場もあるから葛藤はある。これからは(番手を回った際は)ラインでチャンスをつくれる番手になりたい」

 かつて〝怪童〟と呼ばれた男も33歳。ニュースタイルで境地を開拓した。この先まだまだ続く競輪人生の第2章は始まったばかりだ。