〝シン・ワッキー〟爆誕――。取手競輪の令和6年能登半島地震復興支援競輪GⅡ「第8回ウィナーズカップ」は24日、12Rで決勝戦(V賞金2900万円※副賞含む)が行われ、脇本雄太(35=福井)が勝利。2019年の第3回大会(大垣)以来、2度目の優勝は、平塚KEIRINグランプリ2022以来となる10回目のビッグ制覇。

 輪界最速&最強の漢がラインの力で頂点をつかみ取った。「決勝に関しては後輩の2人がいい動きをしてくれた。感謝しかない」。首の痛みからくる手のシビレがあり手負いの状態ではあったが、近畿の仲間がエースを助けた。

 古性優作のS取りで窓場千加頼と脇本を迎え入れて正攻法に成功し、窓場は北井佑季―深谷知広の上昇を許さずハイピッチで駆けた。ラスト1周では伊藤颯馬の奇襲まくりが決まったが、脇本は冷静に伊藤にスイッチ。

 長く続いた北井との並走にも「当たられたら返そうと思っていたので我慢できた。慌てずしっかり対処してから」と落ち着いてペダルを踏み続けた。3角では「前(伊藤)がいたので抜けるか心配だったが、4角からは直線勝負ができるかと思っていた」と最高のパートナーでもある古性の追撃を振り切ってゴール線を一番に駆け抜けた。

 最高位のS班戦士は本命シルシを背負い、常に結果を求められる。極限状況の中で「不調の戦いだったが、ラインの力で優勝することができた。こういうことも含めて経験を積んでいきたい」とようやく頬を緩めた。

 今年のGP戦線は序盤戦が終了。4月末には最高峰レースのGⅠ「日本選手権」(いわき平、4月30日~5月5日)が待っている。「体を調整して戦っていきたい」。新境地を開拓したワッキーが最恐伝説をつくっていく。