123、124期の新人選手にスポットを当てる「Challenge! 競輪新人選手紹介」。今回は石井寛子を心酔するガールズケイリン2人目の〝ヒロコ〟こと熊谷碩子(26=東京)をピックアップ。選手になった経緯や今後の目標を力強く語った。

 中学、高校時代はテニス、大学からはトライアスロンに勤しんだ「スポーツは割と得意だった」少女が、不思議な縁の数々を経て、導かれるようにガールズケイリン界に飛び込んできた。

「トライアスロンをやっていた時に自転車のメンテナンスをしてくれたお店の方が、元競輪選手の高橋慎治さんでした。そこで『ガールズケイリンを目指せば?』と声をかけていただきました」

 その後は愛好会の練習に参加するようになり、川上真吾(98期)に弟子入り。「師匠は今でも時々一緒に練習したり、アドバイスをもらったりしています」と現在も良好な関係を築いている。

 ただ熊谷にはもう1人、かけがえのない大切な心の師匠がいる。石井寛子(104期)だ。

「寛子さんには本当にお世話になっています」

 誰よりも自転車や身体について理解している石井は面倒見も非常に良く、助言を求められるとアドバイスを送ることを惜しまない。いわゆる〝寛子塾〟に通い石井と一緒に練習するようになってから成績を伸ばした選手は枚挙にいとまがない。

「大学の顧問の先生に寛子さんを紹介していただいた」という熊谷も「今でもひと月のうちに何日かは一緒に練習させてもらっています」と、石井の指導を受けてレベルアップを図っている。

 本デビュー戦の7月高知最終日にまくりを決めて早々に初勝利を達成。オールガールズクラシックの前座のシリーズでは予選で確定板入りも果たした。まだ大きな着も目立つが確実に成長を続けており「内容自体は良くなっていると思う。まだビビってしまい練習通りの力を出せていないので、その辺りの課題を克服していきたいです」と息を弾ませた。

 目標とする選手はもちろん、心の師匠であり日本一の自在選手、そして同じヒロコの名を持つ〝石井寛子〟。

「まずは予選をしっかりクリアできるようになりたい。そして、いつかは大きいレースで寛子さんと一緒に走りたいです!」

 ヒロコの下で鍛錬を積むヒロコ――。強い絆で結ばれている2人のヒロコがビッグレースで競演する日が待ち遠しい。

――特技は?
 熊谷 コロナ禍の時にウクレレを練習して、1曲弾けるようになったんです。でも、もう弾けなくなっちゃって…(苦笑)。特技はウクレレです! って言えるように練習します(笑い)。

――息抜きの方法は?

 熊谷 飼っている猫と遊ぶことです。猫と一緒にいると癒されます。

――周りからはなんと呼ばれている?

 熊谷「ヒロコ」が多いです。あとは「ピーさん」。ヒロコ、ピロコ、ピーから派生してピーさんになりました(笑い)。

☆くまがい・ひろこ 1997年5月6日生まれ、東京都小金井市出身。。155センチ、53キロ。東京女子体育大学卒業。師匠は川上真吾(98期)。