佐世保競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「開設74周年記念 九十九島賞争奪戦」は19日、開幕した。一次予選10Rで稲川翔と近畿ワンツーを決めた窓場千加頼(33=京都)の今年の躍進は目覚ましかった。

 もしも「今年の競輪界でもっともブレークした選手」というアンケートがあれば、真っ先に〝窓場千加頼〟の名前が上がるだろう。元々、潜在能力は高く同期の古性優作に「競輪学校(現・日本競輪選手養成所)時代は千加頼は目標だった」と言わしめるほどだった。位置取りを体得し自在性に磨きをかけたことで、今年ようやく才能が開花した。

「成長できたし幸せな一年でした。もちろん不甲斐ない走りもあったけど、常にいいレースを求められ、期待に応えるしんどさも学んだ。そう考えると村上(義弘)さんはすごかったと改めて思いました」

 ヨコを優先し短い距離をズドンというタイプではなく、腹をくくれば1周以上駆けるスタミナも兼ね備える。別線からしたらイヤな存在で「スキのないレースをすることが常にテーマにある。先行、まくりだけじゃなく、自在性を磨いた上で先行ができればいい選手になれると思います」と意識している。

 20日の2日目二次予選6Rはあの浅井康太に任された。別線には嘉永泰斗がおり、そう簡単にはいかないが、あの手この手を駆使した仕掛けで縦横無尽にバンクを駆け回る。