「KEIRINグランプリ2025」(GP)が30日、平塚競輪場で行われ、混戦を単騎でまくった郡司浩平(35=神奈川)が優勝。賞金1億4600万円を獲得し、今年の賞金王に輝いた。神奈川県勢のグランプリ制覇は初。

 2着は周回から郡司をマークした阿部拓真、3着は吉田拓矢。人気の近畿勢は真杉匠のかく乱に翻ろうされ総崩れ。古性優作6着、脇本雄太は9着に敗れた。

 鮮やかなまくりを決めて1着でゴール線を駆け抜けた郡司浩平は、何度も何度もこぶしを天高く突き上げた。2万5857人の大観衆の視線を一身に浴び、ウイニングランを終えて南関の仲間たちによる胴上げで3度宙に舞い「一人じゃないんだ」と実感すると自然に涙が頬を伝った。

 地元開催ながら南関勢のGP出場は一人だけ。大一番に向けて「寂しい気持ちで練習に励んでいた」と苦しい日々を振り返り、通算6回目の挑戦でつかんだ栄冠に喜びを爆発させた。

 S班復帰を果たした今年は1月の松阪記念をはじめGIIIで6V。1年を通じて安定した走りを見せた。一方でGI戦線では近畿勢や関東勢の後塵を拝し「悔しい思いをしてきた」。賞金額でGP出場を決めても満足はできなかった。

 このままではいけない――。南関の総大将として「個としては(他地区と)対等に戦えていると思うが、ビッグになると南関は力の合わせ方がうまくいっていない。多少の犠牲を払っても自分が嫌われ役になるぐらいで向き合っていかないと」と責任を痛感。満足な結果を残せない中でGPでは1番車をもらい「これで勝てなきゃ格好つかない」と奮い立った。

 2026年はGP覇者として全てのレースで1番車に乗れる。「やはり初手が有利になる。この強みを生かして南関の底上げをしていきたい」。王国づくりへ郡司の挑戦は始まったばかりだ。