2026年こそ大願成就へ。松本貴治が勝負の一年に挑む。近年の戦いぶりからは、GⅠを勝っておかしくない位置にいながら、どうしても届かないタイトル…。次のGⅠタイトルホルダーと呼ばれる松本に、熱い思いを聞いた。

 次にGⅠタイトルを手にする男の1番手だ。2025年は8月函館オールスター4着、10月前橋寬仁親王牌2着、11月小倉競輪祭6着と大暴れ。だが「後半にGⅠ決勝に乗れたけど、そこで結果を出せなかった」と優勝できなかったことだけが支配する。GⅠ決勝での2~9着は失望でしかない。

 しかしGⅠ優勝への距離は遠くない。競輪祭では賞金でグランプリ初出場がちらつく中、ためらわない先行で強い心を見せつけた。

「秋頃からセッティングが定まってきて、長い距離を踏んでも残れるという自信がついたので先行が増えたのかも。でも、自分の先行は後ろの援護のおかげで残っているもの。強い人の先行ではない。誰が後ろでも勝てるような、むしろ自分が後ろの人を連れ込めるような、犬伏(湧也)みたいな先行力をつけたい」

 力不足と強調するものの、その戦いぶりは誰もに“獲る男”と知らしめるものがあった。むろん、2026年のスタートから勝負だが、大きな舞台が待っている。「初めての地元GⅠ(8月オールスター)もあるし、そこへ向けて脚力を底上げしたい」。松山競輪場で走るGⅠが、夏にある。
「梶応さん以来となる愛媛のタイトルホルダーを目指して」

 愛媛勢としては梶応弘樹(57期)の1992年全日本選抜以来となるタイトル奪取を目指す。意気込みつつ、趣味の登山も「時間をつくってなるべく行くようにしたい。熊に気をつけながら(笑い)。登山はトレーニングというより9割リフレッシュ」と心身を整える。今や、周囲の選手から「雰囲気が変わって、リーダーっぽくなってきた」と評されるようになった。正真正銘の四国のリーダー、競輪界のリーダーへ。2026年が待っている。

 ☆まつもと・たかはる 1993年12月22日生まれ、愛媛県出身。172センチ、80キロ。朝日大卒。111期。2019年ヤンググランプリ優勝。GⅢ優勝4回。ラグビー選手稲垣啓太に似ていることから“笑わない男”と言われるが、笑うこともある。