123、124期の新人選手を紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」は岩手の偉人・大谷翔平の背中を追いかける熊谷芽緯(20=岩手)を取り上げる。〝ホワイトベアーアタック〟に磨きをかけ、一歩ずつ成長する。
競輪選手養成所時代から先行に意欲的に取り組み、その一撃は〝白熊弾〟として注目を集めてきた。随所に片鱗を見せつつ、苦しんでいる現状でもある。
「自分のレーススタイルとして積極的に行く、と決めている。でも自分が行きたいと思っても、長い距離は踏めないので待つと、他の選手に先に行かれてしまう」
うまくレースに参加できないことも多い。振り返っても「自力を出して着に絡めるのは10回に1回、いや100回に1回」と自己評価は厳しい。しかし、瞳の輝きは雪印。透徹として、崩れない。背筋を伸ばしてくれたのはガールズ1期の巨人・加瀬加奈子だ。
「一緒にレースを走ったこともあるんですが、魅力的な走りをされていて。突っ張って逃げることもできるし、しっかり仕掛けるところでは仕掛ける。個性的な方で、レースがカッコイイ!」
戦うことがガールズケイリンの肝。それを創世期から今もなお続けている加瀬に憧れの視線を向ける。強くなるために、冬季移動先を岐阜に定め、冬も練習に打ち込む。岐阜には「ウノがいるんです」――。
宇野紅音は同期でも仲のいい存在で、着実に成長しているライバルでもある。またガールズの先駆者でもある「小坂知子さんや猪子真実さんもいて練習させてもらっています」と、歴史ある人たちとのふれあいで人間的な成長にもつながっている。
岩手ガールズは高木香帆と2人だけの小さな所帯で、練習では苦労することも多い。この冬に下地をつくり、競輪選手としての完成を目指す。
そのためにも「自炊の勉強もしないと」と頭をかく。栄養面などを細かく考える時期ではないが、しっかり食べることは大事。「宇野がカレーをつくってくれたんですが、すごくおいしかった」とそちらでもライバル視する。
また、同期の高橋美沙紀が来た時には「3人で豚キムチをつくったんですが、抜群においしかった」。1人暮らしにはまだ慣れていないそうだが、環境に慣れ、練習に打ち込んでいくことが、確かな成長につながる。
〝ホワイトベアーアタック〟
ガールズケイリン界の一部を成すものとして、存在感を高めていく。
【Q&A】
――ハタチになった
熊谷 11月6日になったばかりです…。うふ。
――お酒は
熊谷 飲む機会はありましたよ…。
――何を飲んだ
熊谷 サワー系、レモンサワーでしたね。でも、まだお酒の良さは分かっていないです。
――ビールは
熊谷 実は、ビールの香りは好きで気になっていたんですが、飲んだら味は期待と違いました。
――日本酒は
熊谷 まだ飲んだことないです。岩手はお米がおいしいから、岩手の日本酒がおいしいのかな…
☆くまがい・めい 2003年11月6日生まれ、岩手県出身。158・7センチ、64・3キロ。師匠は小泉俊也(77期)。