和歌山競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「開設75周年記念 和歌山グランプリ」は11日、2日目を行った。準決に勝ち上がった渡辺雄太(30=静岡)だが、去年は選手になって一番と言っていいほど、苦しい一年間だった。
「悪くなった原因が分からなくて…」
落車による蓄積されたダメージが爆発してしまった影響なのか、突然、今までとは別人のように動きが重くなった。GⅠでは大敗が続き、記念でも目立った活躍ができず、4月以降はFⅠでも一度も決勝に乗れなかった。
それでも腐ることなく「練習だけは真面目にやっていました」。そんな苦しかった2024年の大晦日、心を揺るがせる出来事があった。愛するB’zが紅白歌合戦で熱すぎるパフォーマンスを披露したのだ。「観てましたよ。あれは久々に鳥肌が立ちました」。心を激しく打たれ、2025年を反撃の一年にすると誓った。
新年初戦となった初日はまくり快勝。二次予選7Rは後輩の日高裕太を援護しつつ最後は伸びて3着に入った。久々の記念準決進出に「余裕があったし、だいぶ良くなってきた」と笑顔。青野将大という最高の目標を得た準決を〝魂〟の走りで突破して、2023年7月の名古屋以来となる記念決勝の舞台を踏む。