こんにちは、東スポ競輪アンバサダーの太田理恵です!

 先日行われた奈良記念は南関3車の連係から松井宏佑(32=神奈川)選手が優勝しました。前を任せた道場晃規(27=静岡)選手が先行すると、古性優作(33=大阪)選手の仕掛けに合わせて番手まくり。後ろに古性選手がハマる展開となりましたが、松井選手が最後は押し切りました。

 古性選手の調子や奈良バンクの短い直線が味方したこともありますが、番手を回る機会が増えた松井選手の総合力の高さも感じました。以前はダッシュタイプ特有のレースが多かったですが、近況は最後の半周でもあまりタイムが落ちず、持久力もアップしていると思います。また近況は早めのタイミングでもためらわずに仕掛けるなど、レースの流れを冷静に見極めて動けている印象を受けます。

 2023年の競輪祭では深谷知広(35=静岡)選手の先行の番手で絶好の展開も勝ちきれず、去年のオールスター(平塚)は地元で優勝を意識しすぎたのか後方で仕掛けられず、悔し泣きをしていたのが印象に残っています。ですが松井選手はその悔しさをバネに、着実に経験を積んで力をつけているようにみえます。

 まずは今週末に行われる今年最初のGⅠ全日本選抜競輪(21~24日=豊橋)で松井選手の笑顔を期待します。今年は地元の平塚でのグランプリもあり、年末まで注目したいと思います。

 奈良記念では皿屋豊(42=三重)選手の動きの良さも目立ちました。二次予選では平原康多(42=埼玉)選手が番手で絶好の展開も、皿屋選手がまくりを決めて1着。準決勝では志田龍星(27=岐阜)選手の先行に乗った皿屋選手が、番手まくりで古性選手を合わせ切って先着と、連日S級S班を苦しめていました。

 元公務員というバックグラウンドも魅力的で、今年の活躍を楽しみにしています。

 全日本選抜競輪では松井選手以外にも、成田和也(45=福島)選手にも注目です。確定板を外すことが少なく、高松記念では決勝に勝ち上がり、4日間とも2着という成績でした。どんな選手の仕掛けにも離れない安定感と、番手での堅実な仕事ぶり、たとえ展開が向かなくても最後は切り替えてコースを見つけての突っ込みなど、必ず車券には絡めたい選手です。北日本は特にベテラン勢の層の厚さも魅力なので、注目してみてください。

☆おおた・りえ 1992年6月22日東京都生まれ、東京大学大学院卒、ミス・ワールド2014日本大会審査員特別賞、同大会2015実行委員長賞受賞、同大会2020日本伝統文化賞。