函館競輪ナイターG1「第68回オールスター競輪」(優勝賞金6500万円・副賞含む)は17日、最終日を開催した。注目の11R決勝戦は、脇本雄太を先頭に結束をした近畿軍団がレースを支配。番手から飛び出した寺崎浩平(31=福井)が突き抜けて待望のG1初制覇を達成した。
あの脇本雄太たちがひと肌脱いだのだから、ラインは鉄壁だ。寺崎は脇本のブン回しを無駄にせぬ番手まくりで、古性優作と南修二を引き連れゴール線を突き抜けた。「素直にうれしい。脇本さん、古性さん、南さんに感謝です。スピードがどんどん上がっていたし、後ろが来られるピッチじゃなかった」と先輩らのアシストに感謝した。

近畿のメンバーに胴上げされる寺崎浩平(上)
〝機が熟した〟とは寺崎のためにある言葉で、待望の初戴冠はこれまでの努力が評価されたものだ。2022年の西武園オールスター競輪を皮切りに昨年の小倉競輪祭、今年の豊橋全日本選抜競輪、岸和田高松宮記念杯競輪と脇本のGⅠ優勝に4回も貢献してきた。古性も寺崎に先頭を任せた昨年の弥彦寬仁親王牌競輪と今年の伊東ウィナーズカップで優勝しており、両者や南の信頼は絶大なものがある。それは脇本も「これまで何本も取らせてもらったから」と、嬉々として先頭で張り切る。
ついに、タイトルホルダーの肩書を手にした。これからはより一層、近畿のために尽力しラインをけん引していく。視界にあるのは年末の平塚KEIRINグランプリだ。「もちろん近畿の先頭で。これからはタイトルホルダーにふさわしい走りをします」と気を引き締めた。積み上げた信頼と絆を大事に走るここからが本当の勝負だ。