函館競輪ナイターGⅠ「第68回オールスター競輪」が12日、開幕する。昨年の覇者で2年連続ファン投票1位の古性優作(34=大阪)は、その誇りと覚悟を胸に初日メインの「ドリームレース」に臨む。
怖いほどの表情で現状を語った。7月玉野GⅡサマーナイトフェスティバルの落車で「右肩鎖関節脱臼とじん帯3本全部の断裂でした」という重傷を負った。普通ならば、今回の出場に間に合うレベルのケガではない。
「ファン投票1位やから辞退した方がいいのか、走った方がいいのか」
1人、悩み抜いた。ファンの姿が目に浮かび「走らないと心配するやろうし、走ってその姿を見せることが」――。どんな体であっても、ファンが選んでくれた大会を走らないわけにはいかない。責任は全身に満ちる。
そして、その覚悟が心を張り裂かんばかりに暴れる。競輪は過酷を極める競技で「いつも今日が最後かもしれないと思って走っている」と選手生命が落車などで断たれるかもしれないと、しかしその一戦に全力を尽くすんだと、日々覚悟を持って走っている。
「ここを走らずに、もしその次の競走でそうなったとしたら、後悔するやろな…」
どれほどの価値なのかを痛感し「ファン投票1位で走れるのは最後かも」。ドリームレース、決死の覚悟で脇本雄太と好連係を決める。