127期、128期のルーキーを紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回は、思い切りの良さと行動力を武器に新たな世界へ飛び込んだ〝フッ軽女子〟石田春海(27=大阪)に話を聞いてみた。

 性格は「後先を考えずに動いてしまうタイプ」という。高校卒業後に就いた新幹線のパーサー職からガールズケイリンを志したのも、その行動力からだ。学生時代は自転車競技どころか部活動やスポーツ経験もなし。それでも母親に勧められ「若いから、新しいことをするには今しかない!」と一念発起した。

 とはいえ、当時は競輪の知識もなく、頼れるツテもない。インターネットで「大阪 競輪」と検索して何とか大阪支部へたどり着いたという。「最初に(支部長代行の)陶器一馬さんに会ったのですが、私が競輪を何も知らないから『ホンマにヤル気なん?』って(笑)。でも断られたくないから『競輪場の近くに引っ越します!』とか必死にアピールしました」

 師匠となった菊谷信一とのマンツーマン練習で、わずか4か月で養成所試験の合格タイムを記録。「実技は良かったけど筆記で落ちた」と苦笑いするが、2度目の試験で見事、合格を果たした。

 養成所では社会人時代の経験と持ち前の身軽さが生きた。「パーサーの職場って女性ばかりなんです。そういう環境で働いてきたからコミュニケーションには困らなかったです。選手になってからも生かせていますね」。

 そんな人柄もあり、デビュー後も先輩たちから多くの助言を受けている。6、7着が続いていたころ篠崎新純(千葉)から「やれることを一つずつ。いきなり確定板じゃなくて、大敗しない選手がどんなレースをしているか見てごらん」との助言を受け、加藤舞(沖縄)からも「脚は大丈夫。あとは技術。ペース配分は走っていけば慣れるよ」と背中を押されたという。

「先輩たちってみなさんライバルと思っていたけど、全然そんなことがなくて。カッコいい人ばかりだし、すごくいい業界に入ったなと思います」

 競走スタイルは自力中心だ。今は勝ち上がりでは力の及ばぬレースも多いが、最終日には主導権を握り押し切る場面が増えてきた。「今は色々なことを教わり挑戦する時期。その中で自分に合う走りを見つけたい」。決して「後先を考えていない」わけではない。

 思い切りの良さとチャレンジ精神、そして優れた行動力にあふれている。新幹線の車内からバンクへ――。〝フッ軽女子〟が今日も果敢に突っ走る。

【Q&A】

 ――本当に競輪を何も知らなかった

 石田 まったくですね。自転車そのものに縁がなくて。通勤用に買ったママチャリを計3台、盗まれたぐらいですから(苦笑い)。

 ――今の目標は

 石田 本デビューからまだ決勝に乗っていないし、まずはそこです。常に乗れるようになって将来的には地元のGⅠ(パールカップ)を走れるように。

 ――趣味は

 石田 亡くなった父が多趣味だったから私も多いです。ひとつはスキューバダイビング。夏になったら(今西)瑠花さんと行く予定です。あとはバイク。ハーレーに乗っていましたが養成所に入る前に売ってしまい、今は父のハーレーに乗ってます。(松井)優佳さんもバイク好きなので今度ツーリングに行きます。あとはLIVE観戦とか。この間も(木下)宙さんと行ってきました。

☆いしだ・はるみ 1998年11月8日生まれ、大阪府出身。155センチ、68キロ。競技経験ゼロからガールズケイリンに挑み2025年7月前橋で本デビューした。