127期、128期のルーキーを紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回は馬越裕之(22=奈良)をピックアップ。わんぱく少年が自転車と出会い、選手の道へと舵を切り〝寝る子は育つ〟を実証する。

「ゲームよりも川に行ったり、外で過ごしていた」

 そんな少年が自転車に出合い、一気に心を奪われた。高校を選ぶ際も「自転車部に入るために」と、奈良県の榛生昇陽(しんせいしょうよう)高に入学。「高校時代のナショナルには同学年の町田太我(25=広島)君もいました」

 当初はロードレーサーを目指していた。しかし中大に進んで2年が過ぎ、3年生になったあたりでロードレーサーとして自分のレベルを考え始める。「そんな時に大学の先輩の東矢圭吾(27=熊本)さんや山根将太(28=岡山)さんが競輪で活躍しているのを知りました」。しかし競輪界へのツテがなく、3年生の終わり頃に高校時代の恩師に頼み、現在の師匠である武田和也(38=奈良)を紹介された。

 養成所には2度目の挑戦で合格。養成所時代は今どき? な〝現実路線〟で過ごす。

「報奨金を目指し、タイムを意識して懸命でした」

 しかし、本デビューを迎えると、タイム重視の考え方が覆される。「養成所では分からない感覚があった。タイムだけじゃダメ。前後のスピードやペースも計算しないと。それにラインの大切さも分かりました」。

 さらに本デビュー戦の7月福井決勝で落車(再乗5着)で左鎖骨を骨折してしまい、復帰直後は苦しい戦いが続いていた。師匠の武田に相談すると、強くなりたいか、と聞かれた。

「なりたいです、と答えました。そこで三谷将太(40=奈良)さんを紹介していただきました」

 奈良のトップマーカーのグループに入っての練習は、今まで以上に厳しいものとなった。それでも「言われていることは理解できるし、間違ったことを言ってないとも思える。自分の中では間違いなくプラスに働いていると思う」と話す。

 成績の方も安定感を増し、今年に入って優勝4回。6月末に取手で行われるレインボーカップチャレンジファイナルの有力候補にもなっている。

「自分で納得して、追い込ませてもらえる。足りない部分を考えてやってくれるし、めちゃくちゃありがたい」

 今後は「もちろん自力でやって行きたいが、どんな状況でも1着や1つでも上の着を目指せる、競輪IQの高い選手」を理想に掲げる。そして「早くS級に上がって(三谷)将太さんや(三谷)竜生(38=奈良)さんと連係したい」とも。その日まで、鍛えて鍛えて脚に磨きをかける。

【Q&A】
 ――子供のころはどんな少年だった

 馬越 家でゲームをするよりは、池に行ったりとか、自然の中で過ごすのが好きでした。

 ――大阪に転校した後は自然は少なくなかった

 馬越 それが自分の住んでいるところとかは結構自然も残っていたんですよ。

 ――現在の休日は

 馬越 外出もするが、基本的に寝るのが大好き。開催中でも寝ていることが多いので。

☆うまこし・ひろゆき 2000年7月23日、埼玉県出身。170センチ、70キロ。「生まれたのは母の実家がある新潟県でした。小学校6年で埼玉から大阪へ引っ越しました」。養成所順位23位。師匠は武田和也(92期)「優しくて何でもやってくれる頼りがいのある師匠です」。趣味はスノボや素潜りで、中でもスノボは「今シーズンは3回。練習はほぼ毎日だし、練習終わりにナイターで滑って温泉入って、戻って翌日練習(笑い)」。