129期、130期のルーキーを紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回は斉藤萌(19=福岡)をピックアップ。腰を痛めた柔道女子中学生が治療に訪れた接骨院で新たな進路を切り開くことになった運命とは――。
中学までは大分の柔道少女だった。それが思わぬアクシデントと出会いで状況は一変する。「中学3年生の時に腰を痛めてしまって…」。しかしその時に訪れた接骨院が運命を変えた。「接骨院の方が森本(大志さん=77期、引退)さんという元競輪選手で、施術してもらっている時に話の中で自転車競技部を推薦されました」。いわばスカウトのような形で別府翔青高校に進むと、自転車の道へとハンドルを切った。
高校では1年から短距離。練習中に実際のレースが映っているのを目にして「カッコいいな、と思いました」。2年の時に元福岡所属だった牧剛央(大分)や森本さんに話をしてもらい、現在の師匠である藤田剣次(福岡)を紹介された。「それまでなかなかスプリントのタイムが出なかったのが出るようになって、楽しくなりました」。インターハイなどで活躍したのちに、競輪選手養成所に入った。
養成所ではレベルの差を痛感した。「自分の弱さを改めて知ったし、朝練にも取り組みました。養成所での生活はきついが7、楽しいが3ですかね」。迎えたプロデビュー初戦の5月宇都宮ルーキーシリーズは試練の3日間だった。7、7、7着に「悔しさと情けなさで…。でも、この着だったおかげでよりしっかりと練習するぞと、腹をくくれました」。
本デビュー戦の7月佐世保では3日間を5、7、4着で終えた。成績的には振るわなかったが「自分の中ではメドも立ったかな」と、わずかながらも手応えを感じていた。2日目には姉弟子の小林優香(福岡)と同じレースを走り、検車場でも小林の隣にいる姿をよく見かけた。本デビューの場所が先輩と同じ開催だったこともプラスに働いたはずだ。
今後の目標は「まずはGⅠに出場することですね。そのためにはもっと練習して、先々にはガールズGPに」。そのための課題として「トルクがないこと。短距離やスプリントをやっていたし、ダッシュ型だと思うんですが、パワーがない」と改善点を挙げる。彼女が目標とする大舞台に出場して頂点にも立った先輩たちがいる藤田門下の最年少。19歳の未来は間違いなく明るい。
Q&A
――趣味は料理と聞きいた
斉藤 以前はそうだったが、1人暮らしになって、だんだんつくらなくなってきて…。
――では最近は
斉藤 寝るだけ(苦笑)。出身が大分なので、友達も周りにあまりいなくて。
――休日の過ごし方は
斉藤 家にいるのが多いし、最近アニメのドラゴンボールを見始めました。ホントに初期のからです。
【姉弟子・小林優香から見た斉藤萌】
練習を一緒にやり始めて思うのは、師匠の言うことを聞いて「まじめ」。自分が19歳のころを思うと…。ちょっと抜けているところがあったりして、かわいい面も見せるし応援したくなる。存在が刺激になるし頑張ってほしい。
☆さいとう・もえ 2006年12月5日生まれ、大分県出身(登録地は福岡)。168センチ、63・5キロ。養成所順位19位。師匠は藤田剣次(85期)。同期の緒方詩央里は年上の同門で「緒方さんはずっと練習していて走っても強いし、もっと先を見据えている。とても刺激を受けています」。