豊橋競輪FⅠ「昇竜杯」は22日、開幕する。前日検査の21日に誰よりも上機嫌で検車場に姿を見せたのがベテランの高木和仁(50=福岡)で「娘の萌那がきのう(20日)の大宮決勝で本デビュー後の初優勝を飾ったんです。調子に乗らないか心配だけど成績がいいとヤル気も出てくる」と声を弾ませた。

 戦いの場がA級となった前期も前を向き続けられたのは弟子でもある愛娘の存在が大きかった。「今は簡単にレース映像を見ることができますからね。口でとやかく言うより、走る姿を見てもらおうという意識はありました」。父の背中を見て奮起した萌那が5月岸和田あたりからコンスタントに優出するようになったのも偶然ではないだろう。

 S級復帰初戦となった前回防府は落車明けでもあったが、2日目に1着をゲット。親子での相乗効果は結果となって表れている。初日の22日は51歳の誕生日。愛娘から2日早く最高のプレゼントを贈られた格好の父は「もう、おなかいっぱい」と笑いながらも「負けていられないですね」と表情を引き締めた。初日10Rは金ケ江勇気―松川高大に続く九州3番手で存在感を示す。