129期、130期のルーキーを取り上げる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回は父・林洋二(82期)の背中を追って競輪界に飛び込んだ林香穂(21=岐阜)が登場。競輪選手養成所の試験に2度の不合格、在校中のケガを乗り越えてデビューを果たしたルーキーの素顔に迫る。

 競輪選手を目指すきっかけをつくったのは、「昔からずっと、めっちゃ優しい」父だった。

 高校3年生で進路を考える時期になり、大学に進むか、就職するかで迷っている時に「競輪選手になるのはどうか」と勧められた。「そのときは『ないかな』と思って断ったんですけど、そのあと自分で考えたときに、やってみたいと思って」アマチュアの道へ進んだ。

 ただ、自転車について、まったく知らないところからのスタート。競輪選手養成所の試験には2年連続で失敗した。
「結構苦しかったです。父にも、応援してくれる母にも申し訳なかった」

 3回目の試験をラストチャンスと決め、心を入れ替えて練習に打ち込んだ。合格が分かった瞬間は「やっと(選手に)なれるという喜びがすごかったです」と笑顔を見せた。

 2度の失敗も今では「いい同期にめぐりあえて、神山(雄一郎)所長の一期生にもなることができたし、強くなるための試練だった」と前向きに受け止めている。

 養成所では序盤こそ中位に位置していたが、競走訓練中の落車により鎖骨を骨折。別メニューの日々が続き、心が折れそうになったこともある。そんなときに支えになったのが、神山所長の言葉だった。

「『林、焦らなくていい。自分のできることをやればいいぞ』と言ってもらいました。復帰してからも、いいレースができたときは『いいぞ、林。そういうことだぞ』と毎回励ましの言葉をかけてもらって、心の支えになっていました」

 デビュー後は、「先輩の技術力とか脚力に圧倒されています」とプロの洗礼を浴びている。それでも「今は自分の脚力にどれだけ可能性があるのか、どんな戦法が合うのかを見つけたい」と前を向く。

 目指すのは久米詩。「かわいくて、強い。どの位置からでも着に入れるし、自分から前を攻めていく勇気と脚力が魅力です。詩選手みたいになりたいです」と目を輝かせる。

 養成所時代のケガの影響も日に日に薄れ、「少しずつ上がってきている」と感触をつかみだしている。近況のレースでも、自ら積極的に動いて見せ場をつくる機会が増えてきた。遠回りした分だけ、ここからの伸びシロは大きそうだ。

Q&A
 ――趣味は

 林 お菓子づくりが好きで、特にタルト系が得意です。旅行も好きで、テーマパークとかにもよく行きます。もうちょっと頑張ってお金を貯めたら海外にも行きたいです。

 ――開催中は何をしている

 林 それこそお菓子系とか、ファッション系とかの雑誌を読んだりして、開催が終わったあとのご褒美を考えてます(笑い)。

 ――インスタグラムの写真が魅力

 林 競輪選手の林香穂じゃない、〝普通の林香穂〟がテーマです。だからちょっと生意気な投稿をしています(笑い)。あれが、私です。

☆はやし・かほ 2004年11月1日生まれ、岐阜県出身。166センチ、60キロ。養成所順位は18位。師匠は父の林洋二。