125期、126期のルーキーを取り上げる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。小川三士郎(24=徳島)は本デビュー後3場所ですでに2度の完全V。父圭二、兄丈太、そして弟将二郎と同じ競輪選手の道を選んだ男の、熱い気持ちと決意を聞いた。
きっかけは、やはり父だった。「ちっちゃいころから母親と一緒に見に行って、その時に『いいな』って思った」。兄弟3人も同じ気持ちだったようで、まず兄が111期、次いで弟が121期でデビュー。「自分もずっと受けていたが…。もちろん悔しさとか気持ち的な部分はあったけど、挫折とか落ち込みはなかったですね。それ以上に、まずは選手に、の気持ちが強かった」と話す。
125期として競輪選手養成所に入ってから力を付けていった。「ここで自分のもがき方が確立した感じだった」。ナショナルや他の自転車競技で活躍した同期もおり「周りに聞くことができる人が多かったのもでかかった」と、環境面にも恵まれた。
卒業後はルーキーシリーズで2場所を走った。7月本デビューとなった高知では完全優勝を果たす。しかし本人には違和感があった。続く久留米では連勝で勝ち上がるも決勝4着。奈良でも優勝を飾ったが「高知は勝つには勝ったけど、まだまだ足りない部分が見えた。久留米決勝が現状じゃないですかね。今のままでは上で通用しないのが分かった」。自分を「地脚タイプでダッシュは全然ない」と評価。それだけに課題は「トップスピードに上げるまでをいかに短くするか。早く上げれば上げるだけ長く距離いけるので」と話す。
今後については「先行してGⅠに乗るくらいの気持ちでやりたい。甘くはないけど、グランプリは走りたいですね」。目標とする選手は平原康多だ。
「先行してもまくりでも、何やっても一流という選手になりたい」
最後に父、そして兄弟について聞いた。「あまり聞かれたことがなかった」と考えながら「父を目標にすると、そこで止まってしまう。通過点ですね。GⅡを勝っている(ふるさとダービー2回、西日本王座1回)し、グランプリにはGⅠを勝たないと出られないじゃないですか」と話した後「でもあまり気にしてはいない。気にし過ぎず、気付いたら超えてました、が理想」だと言う。
また兄弟には「他の2人がどう思ってるかは分からないけど」と前置きしたうえで「追い付き追い越す、ではなく3人で同じレースを走りたいと思っている。当然記念以上になるし、地元でも父含め4人呼ばれるだけでも可能性は低い。でも父の目の前で3人で走っているところを見せられたら最高ですね」と笑顔で締めくくった。
Q&A
――趣味は
まあ、涼しい部屋でのんびりが好きなんで、映画やドラマを見たり、漫画を読んだりですかね。
――漫画ってどんな
読むのは少年ジャンプ系。あとDVDは子どものころにドラゴンボールとか。
――世代的にはちょっと上じゃない
父がレースに行くと、よくDVDを買ってきてくれていて、確かドラゴンボールは全部揃っていました。
――それは微笑ましい
あのころは競走から帰ってくるのを楽しみにしてた記憶がありますね。
☆おがわ・さんしろう 2000年6月4日生まれ、徳島県出身。師匠は小川圭二(68期)。183・2センチ、86キロ。競輪選手養成所順位は26位。休日は「練習以外ではあまり外に出ないし、涼しい部屋でのんびりっす。練習以外は「インドアっすね(苦笑)」