川崎競輪ナイターFⅠ「スピチャン・スカパー杯」は29日、開幕する。メインの12R初日特選は中部2車だけが自力型というメンバー構成で、シリーズリーダーの山口拳矢(29=岐阜)は迷うことなく「自力」での戦いを選択。同地区の後輩である纐纈洸翔(22=愛知)が番手に回ることになった。
6月は四日市で完全Vと幸先いいスタートを切ったものの、前回GⅠ高松宮記念杯(岸和田)は6着、6着、8着で二次予選敗退。今開催は「次(のビッグ)に向けて新車のセッティングを煮詰めていこう」と気持ちを切り替えた矢先に受けた追加だった。
新車での練習は「2日ぐらい」。手探りでの実戦投入となるが、真剣勝負をしてこそ分かることもある。次走の松戸が中3日となることを承知の上での参戦は、この先のGⅡサマーナイトフェスティバル(玉野、18~21日)、GⅠオールスター(函館、8月12~17日)を見据えてのもの。ビッグ戦線での借りはビッグ戦線で返そうという決意の表れであることは想像に難くない。
昨年9月のGⅡ共同通信社杯競輪(宇都宮)最終日には纐纈に前を託して1着を取っているが、今回は初めての逆パターン。目先の着より自力を出すことによる〝気づき〟を優先した格好だ。
ただ、走る以上は当然ながら1着を目指す。対戦相手はそれぞれ単騎の吉沢純平と村上博幸、小原太樹―和田健太郎―近藤保の南関3車で、拳矢は「先行一車ですね」とニヤリ。最高のリスタートにするつもりだ。