久留米競輪GⅢ「開設76周年記念 第31回中野カップレース」は29日、2日目を行った。敵も味方も翻ろうし、2連勝を飾った北津留翼(40=福岡)が不気味な輝きを放っている。

 二次予選6Rのレース後、「話が違うじゃねえか!」、「だまされた!」など物騒な言葉が飛び交った。声の主は地元のコワモテ、田中誠(41=福岡)だ。この日は北津留の番手を回り、上がりタイム11秒0の2角まくりに食い下がり2着に続いていた。それなのになぜ!?

「当初、前を取って全部突っ張る予定だったんですよ。でも翼がいきなり車を下げたから、あっ、これはまさか〝ハイ、さよーなら〟のやつだ、と。アイツ、どっからでも突っ張るって言っていたじゃねーか(笑い)」といったんは切なくチギれるシーンが頭をよぎっただけに、注文をつけた。

 とは言いつつも、あれだけのダッシュに対応でき、実のところは上機嫌だ。北津留から「長田(龍拳)君がスレスレできたので死角に入って見えなかった。踏み遅れました」と車を下げた理由を聞くと「次、一緒になったら後ろ攻めから突っ張ってくれよ。介護先行、頼むよ」と肩をポンと叩いてねぎらった。

 北津留も「フフフ、また操縦してください」と、不敵な笑みを浮かべて田中とじゃれあっていた。

【エトキ】ワンツーを喜びじゃれあう田中誠(左)と北津留翼