岸和田競輪の大阪・関西万博協賛GⅠ「第76回高松宮記念杯」(優勝賞金5090万円※副賞含む)は最終日の22日、12Rで決勝が争われ、脇本雄太(36=福井)が寺崎浩平目標から番手まくりでV。5連勝のおまけつきで2月の全日本選抜以来となる今年2回目、通算では10回目のGⅠ制覇を果たした。
2月豊橋のGⅠ全日本選抜で前人未到のグランプリスラムを達成し、誰よりも早く平塚KEIRINグランプリへの切符をゲットしたが手綱を緩める気はみじんもない。寺崎浩平の弾丸先行に乗ると最終バックから激しく飛び出し、いの一番にゴール線を駆け抜けた。
最終バックのプレーは一見すると難しい判断とも取れたが、後ろにいた古性優作にも勝負権を与えねばならないからで、一瞬でも待てば真後ろにいた太田海也のまくりによってラインが崩れる可能性もあった。だから、ちゅうちょなく外へ車を持ち出した。
「打鐘の勢いで寺崎君の気持ちが伝わったし、自分も古性君の気持ちを背負い2人で勝負を、と。ただ寺崎君の頑張りもあったし葛藤はありました」と心は揺れたが近畿伝統の当大会を守るためシビアに動いた。結果、古性との2車単は断トツの1番人気。ファンの気持ちにも応えた。
今節は決勝までの4走をすべて先頭で戦った。最近は初日に位置取りを意識したように、これまでの淡泊なイメージを払拭すべく試行錯誤している。
「位置取りの甘さがあるし今は変化を求めている最中。新たなことに挑戦することが大きなモチベーションですし、自分が変わろうとしている中、今回優勝できて弾みがついた。この先も変化を進めて行きたい」
今の脚力に柔軟性が加味されれば手の付けられないことになる。新たな目標へ突き進み、さらなる進化を求める脇本の気高い挑戦はまだまだ続く。
なお、総売り上げは132億4619万500円と目標の130億円を上回る盛況ぶりだった。