久留米競輪GⅢ「開設76周年記念 第31回中野カップレース」は28日、開幕した。地元の新星・後藤大輝(24=福岡)が初日1Rで九州ライン上位独占に導く力強い走りを見せ(後藤は2着)、ムードを漂わせている。

 待望の地元エースの誕生だ。久留米からはここ数年、S級上位に通用する若手が不在で、いつまで経っても吉本卓仁や坂本亮馬の名前が顔役として挙がっていた。ときには紫原政文や加倉正義の名前も出るほどで、ニューカマーの出現が待たれていた。

 そこへ、お待たせしましたとばかりに現れたのが後藤大輝だ。アマチュア時代からプロたちが一目置くほどのポテンシャルを秘め、2022年のデビューからここまで持ち前のセンスを発揮して、S級上位まで駆け上がってきた。

 もちろん、すべてが順風満帆というわけではない。今でもビッグ戦線の勝ち上がりともなると手も足も出ずに終わることも多い。それでも、一走、一走が後藤の糧となり経験値が蓄積される。「(初日の)一次予選は走る前、まったく焦らなかった。あんなの初めて。GⅠの大舞台を経験したからかな」と場慣れし、大胆不敵にもなってきた。

 7R二次予選は長らく地元を支えてきた吉本と坂本を従え自力勝負。新エースが図太くしたたかな立ち回りで、先輩たちを連れ込んでみせる。