青森競輪FⅡ「選手強化支援競輪 2025年度全日本プロ選手権自転車競技大会記念競輪」(優勝賞金422万円・副賞含む)が24日、幕を開ける。FⅡ格付けではあるものの、23日に引退を表明した平原康多(42=埼玉)を除くS級S班8人を中心にGⅠさながらの豪華メンバーが顔を揃えた。
23日に突如として明らかになった平原康多引退の大ニュース。GⅠ9Vを誇る競輪界を代表するスターの突然の決断に現地の選手たちもざわつき、競輪場は平原の話題で持ちきりとなった。〝関東のプリンス〟の後継者である真杉匠(26=栃木)は「すごく、寂しい。ずっとお世話になったし今後、関東の底上げを吉田拓矢さんとできれば…」と神妙に話すと、「あれが最後だったのかぁ」とポツリ。最後の連係となった先日の名古屋GⅠ日本選手権競輪を思い出し、感傷にひたっていた。
〝ダービー王〟吉田拓矢(30=茨城)も「まさか引退されるとは…」と突然の出来事に驚きを隠せない。平原とはこれまで幾度も連係を重ね、数々の指導を仰いできた。「平原さんに競輪を教えてもらったから今がある。師匠みたいな存在でしたし感謝しかないです。真杉と頑張っていかないといけませんね」と今後の関東を背負っていく両者は襟を正した。
同県の後輩たちにとっても衝撃だった。宿口陽一(41=埼玉)にとって平原は高校の自転車部の2個上の先輩にあたり常に一緒に過ごしてきた。「話は事前に聞いていたので心の準備はしていたけど、いざこの日が来ると寂しさが込み上げてきた。競輪選手としてはもちろん、人として自分を正してくれた人。果てしない距離はあったけどずっと背中を追い続けていました」と話し、武藤龍生(34=埼玉)も「選手になる前から憧れていた人。いつも当たり前のように近くにいたけど、今考えると当たり前じゃなかったんだ、と。ダービーのあとに『龍生は強くなっても今の龍生のままでいてほしい』と言われたんです。おごらず、謙虚さを忘れるなってメッセージだと思います」と平原と過ごした数多くの日々に思いを馳せた。