青森競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「開設74周年記念 みちのく記念競輪 善知鳥杯争奪戦」は29日、最終日が行われ、決勝は単騎で挑んだ佐々木真也(30=神奈川)が7番手2角まくりで直線を突き抜けてV。2020年7月のデビューから5年目にして、初のGⅢ制覇を達成した。

 孤独な単騎戦だった。別線は2段駆けシフトの北日本勢にS級S班の真杉匠、そして暴れん坊の森田優弥と名だたる面々が揃い、走る前から劣勢ムードは否めなかった。だが、真杉が北日本分断に出たことで場は荒れ、チャンスが巡った。

 痛烈な2角まくりは加速抜群のスピードで、瞬く間に前をのみ込んだ。表彰式の前に「僕なんかがいいんですか…」とつぶやいたように、最高の結果にも戸惑っていた。

 父であり師匠の佐々木龍也氏(引退=57期)は、特別戦線で活躍していた名選手。兄の龍(109期)、弟の和紀(117期)とともに〝父子鷹〟で競輪に取り組んできた。父からは8月の平塚GⅠオールスターに出場した後には「勝負は難しいものだぞ」と助言を得た。「その後すぐにGⅢを勝てたし、父のおかげと思います。いい親孝行ができました」と胸をなでおろした。

 次走は地元の川崎GⅢ(10月11~14日)。当地の勢いをそのままに、今度は戸惑うことなく堂々と地元で大暴れする。