「ミスタープロ野球」こと巨人終身名誉監督の長嶋茂雄さんが3日に肺炎のため89歳で死去したことを受け、輪界では元G戦士で福井競輪の「市田佳寿浩カップ」に参戦中の宮崎一彰(50=高知)がショックを隠せなかった。
訃報を知ったのは10時45分発走の1R出走後だった。「えっ? マジですか? 朝に宿舎のテレビでニュースは見ていたけど、長嶋さんのことは扱っていなかったですよ。何時ごろ? 死因は?」。頭の中を整理するのに、しばし時間を要した。
ドラフト会議で巨人から7位指名を受けたのは1999年のこと。「入団後に聞いた話では、長嶋監督がスカウトに『脚が速くて何でもできる選手を欲しい』とリクエストして、それで僕の名前が挙がったそうです」。間接的ながら巨人へと導いてくれたのが、他ならぬ長嶋さんだったというわけだ。
思い出されるのは春季キャンプ中の一コマだった。「1年目だったか2年目だったか、ノックを受けている時に横っ腹が痛くなって顔をしかめていたら、長嶋監督に『宮崎はコーラの飲み過ぎなんだよ』って言われましてね。確かに飲んでいたんですけど(苦笑い)。ちゃんと名前で呼んでもらえていたし、打撃練習もじっくり見ていただいたりしましたよ」
長嶋監督の下でプレーしたのは入団から2シーズンだけだったが、感謝の思いしかない。「自分は競輪で一生懸命に頑張るだけです」。今節は初日から6着、7着と苦戦しており、最終日の4日は1Rに出走予定。唯一の3車を生かすべく、自力勝負で全力を出し切るつもりだ。