防府競輪GⅢ「防府市制施行90周年記念 開設77周年記念 周防国府杯争奪戦」が31日、開幕した。一次予選11Rでは地元の桑原大志(50=山口)が、負傷明けの一戦で1着ゴールを駆け抜けた。
右肋骨骨折からの復帰戦。この地元記念に挑むにあたり、深く考えていた。「走る姿を見せることも、僕の仕事の一つなのかな、と」。痛む体に鞭を打ち、小倉竜二ら仲間のアドバイスをもらいながら、懸命にここに向けて準備してきた。初日の11Rが始まる時、そんな男に防府競輪場全体から大きな声援が送られた。一つになっていた。
レースは町田太我が堂々の突っ張り先行。「すべては町田君が強かった」と桑原が振り返るように、残り2周半からは誰にも何もさせなかった。現時点では「初日みたいじゃなく(展開が)1回まわったりした時に足りない自分が見えてくると思う」というのが実感で、万全とはいかない。
しかし、今を戦うことが、自分だけではない大きな戦いとなる。「その中で車券に貢献できるように頑張る。一生懸命やっているところを見せる」。その姿に心を打たれ、また勇気づけられるファンや、選手仲間も多くいる。
競輪選手とは何か――。
地元記念を通じて、この男が見せている戦いの尊さがある。二次予選9Rも太田海也の番手で、歯を食いしばる。