岐阜競輪ナイターFⅠ「中京スポーツ杯・HPCJC杯」は15日、開幕する。注目は8月末の心臓手術からの復帰戦となる井上昌己(46=長崎)だ。
8月函館のGⅠオールスターから約1か月。マサキングが不死鳥のごとくバンクに戻ってきた。かねて不安を抱えていた心臓の手術を行ったのは8月29日のこと。そこからわずか2週間での戦線復帰だ。
「手術はカテーテルを入れたり簡単なもので入院も2日だけでした。医師から(復帰は)自己判断と言われて、いろいろ調べたら普通は3か月ぐらい様子を見たほうがいいそうなんですけどね。走らなかったら気持ちが切れてしまいそうだし、1週間ほど軽めに練習して少しずつ強度を上げた感じです」
「心臓」に「手術」という強いワードが続けば誰でも深刻に考える。ただ「思ったほど深刻なものでもなくて、医師もあっけらかんとしたものでしたよ」。そう話す井上の表情に悲壮感はなく、まるで骨折した鎖骨にプレートを入れた〝競輪選手あるある〟ぐらいの印象すら抱かせる。
復帰戦となる12R初日特選は空席となる可能性のあった寺沼拓摩の後位に興味を示しつつも、最終的には「1人で」の戦いを選んだ。「まずは走ってみて」になるが、元気な姿でファンに健在ぶりをアピールしてくれるのは間違いない。