127期、128期のルーキーを紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回は8月の西武園で本デビュー初Vを3連勝で飾った野中龍之介(23=神奈川)に注目した。
高校で自転車競技に携わりながらも、卒業するまで競輪は未知の世界だった。しかし明大入学後に、偉大な先輩の姿に憧れ、一気に引き込まれていく。
「守沢(太志)先輩の活躍を目の当たりにしたのが大きい。それに1年の時に4年の方が選手を目指すのを見たのもあります」
とはいえ競輪への伝手があるわけでもなく、高校時代のコーチを頼り、コーチと同じ大学だった堀内俊介(神奈川=107期)を紹介された。「生まれは東京だけど、通っていた法政二高は神奈川にあり、インターハイや国体も神奈川県代表だったので」。そうして入った選手養成所では2度のゴールデンキャップを獲得。「楽しい10か月だった」と振り返る。
5月からのルーキーシリーズでは優勝こそできなかったものの、2度の決勝進出。「単騎での戦いは、自転車競技をやっていた分、慣れていた。アドバンスルールも違和感がなかったし、むしろ合っていた」と話す。しかし、本デビュー後の8月、宇都宮女子オールスター開催中に行われたルーキーアドバンスでは決勝に進めず敗退した。「人の後ろに入って、人を頼り過ぎた。今後の反省点ですね」と悔やんだ。
一方でチャレンジ戦では、初戦の函館で1着、2着、決勝は4着に終わった。「ライン戦が初めてで、慣れる前に終わってしまった感じ」。その後3戦目の西武園で初優勝。完全Vで飾った。「もちろんうれしさはあったけど、完全Vができた安心感の方が大きかったですね」と笑った。
ダッシュ戦を得意とするが「今は長い距離を踏めるように意識しています」と苦手分野の克服に重点を置く。練習は師匠の堀内はもちろんだが「郡司(浩平)さんに小原(太樹)さん、青野(将大)さん、内藤(秀久)さんとか、GⅠで活躍する方々と一緒に練習している」。練習メニューも「郡司さんとかと一緒で、本当にいい環境でやらせてもらっている」。
今後の目標を聞くと「師匠や郡司さん、小原さんと、記念や特別競輪で一緒に走って連係して…。最終的にはGⅠ、そしてグランプリを」と夢は膨らむが、まずは現在のチャレンジ戦を一日も早くクリアし、一歩一歩階段を上っていってほしい。
Q&A
――休日とかは何をしている
野中 ガッツリした休みはなくて、ほぼほぼ練習なんですよね。
――その隙間にやったりする趣味とかはある
野中 温泉やサウナ、好きなものを食べる、かな。最近はタピオカですね。
――タピオカが流行ったのはだいぶ前では
野中 自分が高校のころだったかな。その時はハマらず、少し前に家の近所にあったタピオカ屋に行って注文したのがおいしくて…。そこからマイブームです。温泉やサウナ後にタピオカドリンクを飲めたら最高ですね。
☆のなか・りゅうのすけ 2001年9月27日生まれ、東京都出身。170センチ、75キロ。養成所順位は47位。師匠は堀内俊介(107期)。山登りなどアウトドアが好きで最近登山用の靴を購入したが「虫が苦手でトンボやセミ、蝶もダメ」。もっぱら活動は虫が少ない冬だとか。