京王閣競輪GⅢ「開設76周年記念 ゴールドカップレース」は4日、3日目を行い、4Rで野口裕史(42=千葉)が節目の通算300勝を達成した。男子で登録日から10年以内での到達は2010年の竹内雄作以来で史上7人目。野口は8年5か月3日で4番目のスピード記録ながら「(競走得点)97点台だし、それどころじゃない。だいたい(の1着)が勝ち上がりじゃないので…」と、どこまでも控えめだった。
前を託した日高裕太は突っ張る気満々だったそうだが「前がもがき合ってチャンスが来るから」という冷静なアドバイスが結果的に奏功した。打鐘4角付近で落車があったため日高は迂回して遅れてしまったが、野口は「普段なら外に踏んで避けるところを乗り上げるんじゃないかと内に」行って活路を見出し、離れた5番手の小沼良を越えた勢いで前団を丸飲みして1着でゴール線を駆け抜けた。
近況は持病の腰痛もあって右肩下がり。「3か月ぐらい練習しないと戻らない」と言い、最近では「武田豊樹さんからも『ケツが小さくなった』と言われた」ように自慢の筋力も落ちている。今開催でも「低速からのダッシュが弱い」と課題が浮き彫りになった。
それだけに今回のメモリアル勝利で上昇気流に乗りたいところ。野口は「勢い? つかないでしょ」と言って笑いを誘いつつも「今の練習では足りない。帰ってからやりたい」と復活ロードを見据えた。