佐世保競輪のGⅢ「開設75周年記念 九十九島賞争奪戦」は4~7日の4日間、長崎県・佐世保競輪場を舞台に開催される。松浦悠士、清水裕友、新山響平、犬伏湧也のS級S班4選手をはじめ、各地区のスター選手が西海の地に集結。九州勢は地元エースの荒井崇博を中心に一丸となり、外来撃破に燃える。寒さを吹き飛ばす熱戦が展開されること間違いなしだ。

 地元エースの荒井崇博が「73周年」以来となる地元記念制覇を目指す。11月小倉GⅠ競輪祭は松本貴治の逃げに乗って準優勝。阿部拓真の強襲で初タイトルはスルリとこぼれたが、シリーズ5走すべてで車券に貢献したように仕上がりは抜群だった。激闘から1週間、中間には九州地区プロもあり、息つく間もないが、〝祭り〟の主役は譲れない。

 前を任せる機動型には同県後輩でナショナルチームに所属する山崎賢人をはじめ、競輪祭でも連係した犬伏湧也、松本の四国勢との越境連係までありそうで心配はいらない。僚友・井上昌己を引き連れてゴールラインを真っ先に駆け抜ける。

 4月にS班へ昇格した四国の大砲・犬伏は、来年1班に戻るが、デビュー4年目のヤングにとって有意義なシーズンだった。競輪祭の激走を見る限り、S班返り咲きはそう遠い日ではない。

 北日本の韋駄天・新山響平は3年履き続けた赤いパンツを脱ぐことになったが〝先行日本一〟の評価は揺るがない。和田圭、佐藤慎太郎らを背に代名詞の突っ張り先行で別線をキリキリ舞いさせる。

 中国S班コンビも腕を撫す。清水裕友は勢いに乗り切れなかったシーズンを象徴するかのように競輪祭も一次予選で敗退したが、3走目からは攻めの走りにこだわった。来年3月に防府で開催されるGⅡウィナーズカップの出場権(さらには特選シード権も)獲得へ、選考期限の今月は1着のみを求める。

 グランプリ直行の郡司浩平の代役を務める松浦悠士は7月にS班へ昇格したものの落車に泣かされ続けたが、競輪祭のダイヤモンドレースで2年連続勝利と復活ロードが見えてきた。月末の広島記念に弾みを付ける4日間にしたい。

 犬伏の番手を回る〝グリーン席〟は松本が最優先だ。グランプリ切符がかかった決勝で大胆な先行策。レース後に「力がなくてグランプリに出ても意味がない」と話した姿は競輪祭のMVPと言っても過言でない。ホストプレーヤーとして迎える来年8月松山GⅠオールスターでの活躍が待ち遠しい。昨年7月ミッドナイトGⅢを制したように当地相性は上々だ。

 南関の佐々木龍は長崎県代表として国体に出場したことがあり、地元戦同様の熱量で臨む。坂井洋、佐々木悠葵の関東機動型に乗れる神山拓弥は11月四日市記念で完全Vの確変継続中。村上博幸と稲川翔の近畿名マーカー陣は10月豊橋GⅢVの脇本勇希や中部の突貫・志田龍星との連係で上位争いに顔を出す。