大分県・別府競輪場で10月16~19日の4日間、今年2度目のGⅢ開催となる「令和7年度 施設整備等協賛競輪 GⅢナイター」が行われる。

 大分の中堅が踏ん張りどころだ。近年は阿部将大を筆頭に若手の台頭があり、闘魂みなぎる先輩たちの背を追う大西の世代も役割が求められている。アマチュア時代に輝く成績を残し、デビューした逸材。活躍までの時間は要したものの、昨年大会の優勝で片鱗を見せた。

「これからは自分が、先頭でも頑張れるようにならないといけないですね」

 決勝は九州6車結束し、阿部の先行を番手まくりで優勝した。最終バックから番手から出て、半周は風を受けながらの上がりタイム10秒9は衝撃であり、地元の意地だった。勝たないといけないレースを制し、ファンの歓声に浸った。

 口元を引き締めたあの時から、今年前半のA級生活や、S級復帰後も8月四日市での落車によるケガにも見舞われるなど試練の時もあった。だが、あの時の思いを胸に今回から再進撃を図る。

 11月には昨年大会の優勝で得た小倉GⅠ競輪祭の出場も決まっている。アマ実績を思えば、2012年7月のデビューから時間がかかった。しかし、この男が戦う舞台は本来…。獅子が上げる雄叫びは、長く覆った雲を吹き払う。