123期、124期のルーキーを取り上げる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回は眼鏡がトレードマークの村上翔馬(兵庫)をピックアップ。昭和の香り漂う25歳の自転車人生に迫る。

 123期ナンバーワンの「メガネキャラ」村上は、平成生まれだが、朴訥としたどこか懐かしくも親しみやすい雰囲気を放っている。「競輪学校(日本競輪選手養成所)の時からメガネキャラが定着していて、眼鏡を外していたら同期に『誰ですか?』とかイジられたりします(笑い)」と照れくさそうに話す姿が印象的だ。

 自転車との馴れ初めは、小学生のころに自転車レースに参加したことがきっかけだ。「2年生で初めてレースに出て、たまたま3位に入賞して。興味本位で出ただけだったけど、面白いなあって」。翌年も同レースに出場すると、気付けば「4年生ぐらいになると全国各地でいろんなレースに出るようになっていました」とのめり込んだ。

 兵庫県の飾磨工業高校の自転車競技部に入ると、総体や国体で全国大会を経験。その後進んだ大阪産業大学では「3年の時に中長距離種目のスクラッチで全国7位になり、本格的に全国レベルで戦えるようになりました」とめきめき頭角を現し、自信をつかんだ。

 卒業後は競輪選手を目指し、養成所試験を受験したが結果は不合格に。再チャレンジすべきか葛藤もあったが、村上の最大の理解者である両親がそっと背中を押してくれたという。

「両親は自転車経験者でも何でもないのですが、小学生のころから進んでサポートしてくれました。試験に落ちた時はかなり心配されましたが『自分がもう1年やりたいんやったら、やってもいいよ』と自分の気持ちを尊重してくれて…いつも協力的でいてくれました」

 感謝の想いを胸に、翌年、2度目の試験に合格。養成所生活を経て、今年5月のルーキーシリーズ四日市で競輪選手としてスタートを切った。

 本デビュー直後は苦戦が続いたが、今では優勝こそないが決勝はほぼ外していない。「何をしたらよくて、何をしたらダメなのか、セオリーが全然分かっていなくて、ボロボロでしたね」と苦笑まじりに振り返る。

 最近はもっぱら、みずからスタートを取りに行き、そのまま突っ張り先行を敢行する〝昭和気質〟なスタイルで戦っており、選手や記者の間でも評価はうなぎ登りだ。

「理想は新山響平さんみたいな徹底先行で売っていきたい」。ビッグの舞台でも突っ張り先行を武器に戦うイケメンSS戦士と、将来の自分の姿を、その眼鏡の向こう側でしっかり重ね合わせている。

【Q&A】
――眼鏡にこだわりは

「不便といえば不便なので特にないです(笑い)。利便性を優先して、コンタクトやレーシックにすることもあるかも…」

――趣味は

「自転車が唯一の趣味だったのに、仕事になってしまい…。最近一人暮らしを始めたので、簡単な料理を作るぐらいですかね」

――好きなタイプの女性は?

「女性と付き合ったこともないので、こだわりがないですね。面白くなくて済みません。夜の街に遊びに行くこともないです。そこにお金をかけるなら、自転車関係にかけたいですね」

☆むらかみ・しょうま 1998年11月11日生まれ。兵庫県明石市出身。身長169センチ、体重73キロ。京都の「ダブルオーグラスギア」の度付きサングラスを愛用。