125、126期の新人選手にスポットを当てる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回ピックアップする小堀敢太(24=北海道)は「ずっとしゃべっていられる」おしゃべり大好きな明るいキャラクターだ。本デビュー後も即戦力ルーキーとして奮闘しているが、プロを目指した動機は意外にも…。

 高校までトライアスロンをやっていたが「中でも特にバイクが好きだったので」と、大学からは自転車競技に専念。志望校のひとつであった京都産業大学へ進学し、4年間没頭した。

 全国大会でもインカレの1キロメートルタイムトライアル2位や、ケイリン3位などそれなりの成績を収めたが「同じ年の森田一郎君や、一学年下の市田君(龍生都・現127期候補生)に一度も個人で勝つことができなかったんです」。

 このままでは終われない――。

 プロになって悔しさを晴らしたいと、競輪選手になることを決意。「国体の監督をしていた薮下昌也さんに師匠になっていただけませんかと相談したら『俺は引退しているから明田に頼んだ方がいい』と言われ、当時北海道の支部長をしていた明田春喜の電話番号を入手し直々にお願いした。

 ちなみに師匠の明田はトークショーでこの時の小堀からの電話について「知らない番号からの電話は普段出ないけど、この時は追加の連絡かなと思って出たんです。そうしたらコイツでした(笑い)」と語っている。

 ともあれ、そんな縁もあって明田に弟子入り。高い身体能力と適応力、そして努力の甲斐もあり125期生として晴れて今年プロデビュー。ルーキーシリーズから大卒らしい落ち着いた運びで白星を量産し、本デビュー後もラインを連れ込む走りを心掛けながら奮闘中だ。「決勝になると小さいレースをしてしまって…」と10月末の時点で優勝こそ1度しかないが、準Vは4回と安定した走りを見せている。

「並走は全然大丈夫だし怯んだりしません。中割りは同期の中で一番得意かも(笑い)」と自負するように、将来的には良い追い込み選手になりそうな資質を秘めているが「今はそういうことはせず、しっかり外を踏むようにしています。長い距離を踏んで力を付ける時期だと思うので」と新人らしく先行基本の自力勝負に徹している。

 プロを目指すきっかけとなった森田一郎とは本デビュー後、8月の京王閣決勝で初対戦。果敢に先行したものの、まくられて森田が優勝、自身は2着だった。

 その後、森田は同期の中でS級昇格一番乗りを果たしたが、先日のルーキー企画レースで再び対戦が実現。ただここでも森田の前に完敗となった。また市田選手候補性は早期卒業候補者に認定されており、近いうちに対戦する可能性もある。

 プロになって森田や市田に勝ちたい――。

 その目的を果たすため、現状に満足せずこれからもたゆまぬ努力を続けていく。

Q&A

 ――いまハマっているものは

 小堀 コーヒーですかね。お気に入りのお店で豆を買って挽いています。開催中は先輩たちにいつもふるまっていますよ。

 ――趣味は

 小堀 高校までスキーもやっていたんですが、今でも時々滑っています。

 ――特技は

 小堀 うーん、何かありますかね…。あっ、ずっとしゃべっていられます。これって特技に入りますかね?(笑い)

 ☆こぼり・かんた 2000年6月26日生まれ、北海道札幌市出身。170センチ、68キロ。京都産業大学卒業。師匠は明田春喜(89期)。