取手競輪FⅠ「サテライトしおさい鹿島杯」は20日に開幕し、7Rのガールズ予選1で又多風緑(23=石川)が白星発進した。予選での1着は昨年12月の川崎以来で、石井寛子らの猛追を振り切っての勝利に「これこそジャイアントキリングだ!」と両手を高く突きあげて喜んだ。

 通常開催ながら「前回(宇都宮GⅠ女子オールスター)の延長と思って臨んだ」という一戦で目指したのは1着だった。「長い距離を行こう」と心に決め、打鐘4角付近で前が詰まると最終ホーム目がけてカマした。飛びつきを狙った石井を置き去りにし、最後は直線で迫ってきた枝光美奈らを振り切って先頭でゴール線を駆け抜けた。

 前回のGⅠ前には、かつてフォーミュラーレーサーとして活躍した父の睦博さんから「ジャイアントキリングを目指しなさい」とエールを送られた。聞きなれないフレーズは「ジャイアント…なんだっけ?」となかなか覚えられずにいたが、脳にインプットされる前に実現した格好だ。

 競走得点最下位で参戦した女子オールスターは優出こそ逃すも前々で駆けて初日と最終日に3着で確定板入り。「点数も上がったし(直前は)気持ちを入れて練習でも走れた」。覚醒への〝ヤル気スイッチ〟は、しっかりオンになっている。

 当地では前回1月に決勝進出しており相性はいい。再戦となる石井に当銘直美ら強力な相手に挑む2日目(21日)の6Rガールズ予選2は「自力基本」で2連勝での勝ち上がりを狙う。