取手競輪FⅠ「サテライトしおさい鹿島杯」は20日、開幕する。同時開催のガールズでは初日7Rに7番車で出走する石井寛子(39=東京)が捲土重来を期して今開催に臨む。
前回のGⅠ女子オールスター(宇都宮)は、6月GⅠパールカップ(岸和田)での落車による左肩鎖関節脱臼の影響で6着、7着、7着と不完全燃焼に終わった。「感覚は悪くなかったけど恐怖感もあったのか筋肉がガチガチになってかなり疲れがあった」という。
開催後はイベント出演のため男子のGⅠオールスターが行われていた函館へ。「ファンの方と触れあってパワーをもらった」だけでなく温泉にも出向いてリフレッシュ。さらに同大会で準Vの古性優作から、これ以上ない刺激をもらった。
古性は7月GⅡサマーナイトフェスティバル(玉野)での落車で右肩鎖関節脱臼に靱帯3本を断裂。オールスターには「ファン投票1位じゃなければ休んでいた」という状態で臨んだ。「それでも決勝2着ですからね。古性君はすごい。『ラインのおかげ』と言っていたけど、私はマークした奥井迪さんから離れてしまった」。似たようなケガで苦しんでいる石井には、古性が単に〝ラインのおかげ〟で準優勝できたわけでないことは容易に想像できた。
前走から中8日で臨む今回も不安が一掃されたわけではない。前検前日の18日の練習は「気づいたら23時45分でした。今までで最長かも」と深夜まで及んだことを明かした。ただ、トレーナーとともに試行錯誤しながら最適解を探す作業は「ケガに関係なく常に新しいことには挑戦している。それはすごく楽しい」と声のトーンは明るい。
あとは結果が伴うかどうか。「そろそろ1着が欲しいですね」。昨年のGP覇者から勇気をもらったガールズGPの女王が今開催で完全復活への第一歩を踏み出す。