奈良競輪のF1「中井光雄記念杯オッズパーク杯」は21日、初日を迎える。注目はS級3場所目となる小川三士郎(25=徳島)だ。
7月名古屋で9連勝を飾りA級から特別昇級。S級デビューの7月小松島FⅠは6、2、7着と予選突破はならなかったものの、2場所目の前回富山GⅢでは準決まで勝ち上がる大活躍を見せた。
二次予選では「中団がもつれてくれたので」と展開の助けがあったとはいえ、山口拳矢、青野将大ら一線級を相手に巧みな先行で先着。月森亮輔(1着)とライン決着に持ち込んだ。特にシリーズの優勝をさらった山口を撃破した自信は大きく「初の9車にしてはやった方かな」と確かな手応えも得た。
一方で「トップスピードに乗るまでのダッシュが課題」と、冷静に改善点を見据えることも忘れない。
父は小川圭二(68期)、兄に丈太(111期)、弟に将二郎(121期)を持つ競輪一家の次男で、淡々と落ち着いた口ぶりが印象的。将来は「平原(康多)さんみたいになりたいです」と、今年5月に引退した名レーサーの名を挙げ「まずは逃げて大きなレースの決勝に乗りたい」と直近の目標も明確だ。
今回の舞台は相性の良い短走路の奈良。「3・3バンクは得意なので、自信を持って走りたい」と力を込める。予選6Rは徹底先行の野口裕史、調子を上げている片折亮太と強敵が揃うが、もちろん脚力で劣るはずがない。シリーズを通してフレッシュな旋風を巻き起こせるか注目だ。