岐阜競輪FⅠ「中京スポーツ杯」は7日、最終日を開催した。12RのS級決勝戦は内藤宣彦(53=秋田)が高橋晋也の先行を追い込んで優勝。53歳11か月5日での優勝で、自身が持つS級最高齢優勝記録(52歳5か月7日)を更新した。
2着の高橋との着差は8分の1輪。見た目にもはっきり交わしていたが、内藤に優勝の確信は持てなかった。「前回川崎の決勝(微差及ばず2着)と同じような感覚だったので…。抜いたような気もしたけど、決定が出るまで分かりませんでした」。場内放送を確認し、ようやく頬が少しだけ緩んだ。
高橋の番手で好展開は確実視され「これがラストチャンスかも」と集中力を研ぎ澄ませていた。前回は和田圭、今回は大槻寛徳…。
本来なら内藤の前を回る主力の脱落で転がり込んだ優勝への絶好位。「メンバー的にもこれで優勝できなければ一生勝てないだろうと思っていた。良かったです」。感情はあえて表に出さず、勝利の余韻に浸った。
輪史に残るかもしれない大偉業。自身が持つ記録更新についても「非常にうれしいです」とストレートな表現で喜びをかみ締めた。内藤より年上で今なお一線級で活躍する山口富生(55=岐阜)に話題が及ぶと「富生さんが優勝した時は、またこっちが頑張るだけ」と言い切った。
来月2日には54歳を迎える大ベテランの挑戦は、まだまだ続いていく。