2025年最初のGⅠ大阪・関西万博協賛「第40回全日本選抜競輪」が21日、豊橋競輪場で開幕する。脇本雄太(36=福井)は当大会を優勝すればグランプリを含む全冠制覇となる。史上初の偉業達成へ向けた4日間に挑む。

 新たな歴史を刻むチャンスだが「目標はもちろんありますけど、そこはあくまで気にせずに。最後のチャンスというわけでもないですし、できる限りのことをやっていきたいですね」。慎重に話す理由の一つに現在の体の状況がある。

「腰椎の辺りに水がたまって炎症のあとがあると診断されました」

 1月の大宮記念の後、体に異変があった。過酷を超えた戦いに、その肉体は傷ついている。付き合っていくしかない中で「去年ダービーを欠場した時と似たような症状で、それに近い治療をしてきたが、寒い時期もあいまってなかなかうまくいっていない」と快癒とはいかなかった。ただし、「自転車には乗れないけどジムトレーニングは普通にできたのが唯一の救い」と最低限の準備はできた。

 出走に踏み切るからには、一つひとつの戦いに集中するのみだ。「目の前の戦いを勝ち上がっていけるように。それが」偉業達成へのスタートライン。まずは決勝につながるような走りを。初日の走りに全力を注ぐ。