川崎競輪GⅢナイター「開設76周年記念 桜花賞・海老澤清杯」は20日に2日目を行い、二次予選をクリアした27人が3日目(21日)の準決勝に駒を進めた。中でも強烈なインパクトを残したのが、125期の栗山和樹(27=岐阜)だ。
2月に特別昇級を決めたゲンのいいバンクで大金星をゲットした。二予6Rは初手で前中団をキープ。前のラインが突っ張る中、自身は内並走をしのいで最終2角からまくり発動。3角過ぎで先頭に立ち、直線でしっかり踏み直した。番手のGPレーサー・浅井康太を振り切っての価値ある白星に「浅井さんから逃げての1着でうれしい」と相好を崩した。
特昇後3場所目でグレードレース参戦は今回が初めて。しかし、大学卒業後にサラリーマンも経験している栗山が動じることはなかった。浅井が黒沢征治の反撃を食い止めたおかげもあるが「磯島(成介)君が行って梶原(海斗)君もヤル気だったので内々を踏んだ」と冷静に戦況を見極め、仕掛けどころも逃さなかった。
体は万全の状態というわけでもない。3月の練習中に山口拳矢とともに落車。初めて鎖骨骨折を経験した。約40日間の休養を余儀なくされ、患部にはワイヤーが入ったまま。復帰戦となった前回の四日市では一度も確定板に載れなかった。
当面の目標には1~9月が選考期間のヤンググランプリ(12月28日、平塚)の出走権を掲げている。そのためにも「競走得点を少しでも上げたい」との思いは強い。だからこそ日々の練習では「点数的に車番も悪くなるし、600(メートル)をもがくようにしている」という。
3日目の準決10Rは再び浅井とのコンビで臨む。S班の犬伏湧也を相手にどんな戦いを見せるのか。興味は尽きない。