小倉競輪の大阪・関西万博協賛GⅢ「第19回吉岡稔真カップ争奪戦」は11日の最終日、12Rで決勝戦を行い、柳詰正宏(38=福岡)が林慶次郎―林大悟の二段駆け追走から抜け出しうれしいGⅢ初制覇。優勝賞金450万円を手にするとともに、11月当地開催のGⅠ競輪祭出場も当確とした。
「競輪人生の運をすべて使っていいと思って、全部を懸けようと思って…」
そう心に秘めて臨んだ地元GⅢでのVに「ビックリというか、夢を見ているみたい」と率直な思いを口にした。決勝も林兄弟という同じ小倉の仲間がいたことが大きかった。慶次郎が突っ張り策で逃げ、大悟は桜井正孝との競りを制して3角から踏み込む。流れはその後ろで脚を温存していた柳詰に来た。
「外に持ち出した時に(車が)出ていなかったし最後は気持ちだけ。踏み勝てたのはお客さんの声援のおかげです」。経験したことがないと振り返った地元ファンの声が胸を震わせ、脚の回転を後押しした。
この優勝で「やってきたことが間違っていなかった」と再確認しつつ、GⅢ覇者になったことで「注目されると思うので一戦一戦、気を引き締めていきたい」。常に目の前を大切にしながら、期待に応えることを約束していた。