川崎競輪ナイターFⅠ「おつけもの慶22周年カップ」は25日、2日目を行った。準決11Rは小森貴大(35=福井)が人気に応えるまくりで1着をつかんだが「感覚的には良くなかった。スピードに乗るところが重かった」と神妙な表情だった。

 浮かれる様子が全くないのは、上の世界を見据えているからこそ。2月の奈良記念で同期・皿屋豊の後ろを回ったり、4月当地記念で脇本雄太の後ろに付いたり、という経験を経て〝今、頑張らねば〟の思いが強まっている。

「皿屋さんはあの年齢でGⅠで頑張っているし、脇本さんにはここの記念で競輪界の頂点を見せてもらった」

 一時期は低迷したが、それではダメだと完全に前を向いている。今や福井は盛り上がる一方で「脇本さんや寺崎浩平、もしくは市田龍生都の後ろを回るにしても、付いていくだけでいっぱいでは意味がない。頼りにされるような選手にならないと」と自分のあるべき姿を想定している。

 推薦出場で9月地元・福井のGⅡ共同通信社杯競輪の出場も決まった。勢いを加速させるためにも「優勝したいですね。川崎は声援がすごくてありがたいし、準決は内枠ももらって地元みたいです」とやっと笑顔を見せた。