別府競輪GⅢ「開設75周年記念 オランダ王国友好杯」は5~8日、ナイターで開催される。新山響平、岩本俊介のS班選手をはじめ、全国の強豪が湯の街に集結。九州勢は小岩大介、昨年の「74周年」覇者・阿部将大ら地元勢を中心に他地区の実力者を迎え撃つ。中でも本格化してきた一丸尚伍(33=大分)がカギを握る。

 中距離界のスマイル王子が、競輪選手として本格化だ。中距離種目の日本代表として活躍し、その実績を持って121期に特別選抜試験で競輪選手養成所に入所した。その後は競輪への順応に取り組み、一歩ずつ成長してS級の舞台へ。3月玉野記念では準決に勝ち上がり、確かな実力を感じさせた。

「一丸は、強いんですよ」

 5月平塚記念の二次予選で連係することになった松岡貴久は、シンプルに表現した。一丸自身も「S級で戦えるくらいになって来れたと思う」と自信を深めていた。平塚での勝負の準決は、S班の岩本俊介や山口拳矢が相手。「作戦では、引いてという話も出ましたが…」(一丸)。そのレースで連係した園田匠は「一丸は、『先行で勝負します』って」とその思いに芯の強さを感じたという。

 玉野、平塚の戦いがあり地元記念にいい流れと、強い気持ちを維持して向かうことができる。満開の笑顔がよく似合い、中距離チーム時代にはムードメーカーとしても役割を果たしていた。今回は地元勢のムードを盛り上げる一番手として、重要な役割を担う。