来月にいよいよ本デビューを迎える127期、128期のルーキーを紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」。第1回目は、卒記チャンプで、競輪とナショナルチームの〝二刀流〟三神遼矢(23=福島)に注目した。
デビュー戦は緊張が感じられた。5月ルーキーシリーズで熊本バンクに姿を見せると「ちょっと緊張していますね」と話す表情も堅かった。「養成所に入る前もナショナルチームで練習して、ジャパントラックカップに出場してから(養成所に)入りました」という経験値が相当高い彼にとっても、競輪となると、たとえアドバンスという種目であれ違ったようだ。
それでも初戦を3、1、❹着で終えると、中3日で迎えた別府では完全優勝を決めた。熊本の後は養成所1位だった尾野翔一に誘われ、1位と2位で卒記チャンプの2人が揃って小倉競輪場で練習を積んだという。「中3日だし、脚的な成長という感じではない」と話してはいたものの、結果的にレースへの適応能力の高さをはっきりと示した印象だった。
この2戦で三神のルーキーシリーズは終了。ナショナルチームのレースに頭と体を切り替えた。5月29日からの4日間は「2025ジャパントラックカップⅠ/Ⅱ」に出場し、そして6月7、8日に千葉で行われる「第11回JICF国際トラックカップ」にも参戦予定。その後に7月から始まる競輪の本デビューへと再度気持ちを切り替えて挑む。
もちろん、これまで多くの選手が〝二刀流〟で活躍し、五輪や世界選手権で結果を残してきた。とはいえ…である。簡単な道のりではない。しかし「個人的には大変だけど、面白さも感じるし慣れていけば」とあくまで前向きだ。
現在ナショナルチームでは、男子エリートの強化指定選手「B」に属している。「強化指定『A』の選手と比べると、練習とかでも追い付けていないけど、自分の成長にはつながっていると思うし、Bチームの仲間との練習では、緊張感を持ってできている」と話す。もちろん将来的には五輪、世界選手権の日本代表となることを目指している。
一方の競輪は、今年からルーキーシリーズはアドバンスが採用されたが、本デビューからが勝負となる。「ダッシュが優れているとか地脚とか、武器として言えるところはないけど、レースの中で自分の得意な部分を見つけていきたい」と話す。今後はレベルの高いレースの経験値が、三神のさらなる成長をうながしてくれるはずだ。
【師匠・金成和幸の話】高校のころから彼を見てきた。(4月の国際大会)香港で落車したりもあったけど、世界を目指して、まずは日本代表になれるように頑張ってほしい。
【Q&A】
――忙しい中ですが趣味や好きなものは
三神 趣味とか、特にないんですよね…。
――じゃあ休みの日は何を?
三神 オフの日は家で昼寝したり、今は伊豆にいるので、温泉につかったりしてますね。
――サウナとかも
三神 以前、入所前に新田祐大さんのテントサウナに入れてもらったことがあって、あれは良かったですね。
☆みかみ・りょうや 2002年1月5日生まれ、福島県出身。182・9センチ、84キロ。師匠は金成和幸弘(88期)。養成所順位は2位で卒業記念レースの覇者。2022年、2023年の国体スプリントを連覇した。