127期、128期のルーキーを紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回は体力勝負のロング先行でガールズ戦線にグイグイと畳みかける超元気印の岡田優歩(22=和歌山)をピックアップした。

 養成所時代から「徹底先行」を看板に掲げ、長い距離を踏むことに特化してきた。「目先の着よりも、先を見据えていたいんです」と7月本デビュー後も、逃げの姿勢を貫いている。信念を持つ選手の走りには、やはり骨がある。

 先行で長い距離を踏み続けるには相応のパワーが必要だが、岡田には学生時代、9年間取り組んだバスケットで培ったスタミナがあり「うちの高校はフィジカル強化を掲げていました。週3回、専門のトレーナーのもとジムに通ったり。だから体力には自信があるんです」と、土台はしっかりとしている。

 ガールズケイリンで先行を突き詰める選手として必ず挙がるのが、奥井迪(43=東京)の名。年齢を重ねてもパワフルな競走を演じ、ファンから絶大な人気を誇る名物レーサーだ。

 岡田にとっては雲の上の存在だが、本デビュー戦の7月福井で初日、2日目と対戦する機会を得た。開催中は幾度も奥井に接近し、意識や取り組み方について多くのアドバイスを受けたという。

 中にはレースに関する深い話も。〝新人あるある〟に初手で欲しい位置が取れない、というものがある。他の選手からすると、新人の戦法が未知であるため前に入れるか入れないをためらうからだ。そうなるとどうしても後方へ車を下げさせられる。

 そんな悩みをぶつけると「後ろで構えたまま何もできずに終わるのはダメ」と返ってきた。要は尻込みしていては何も始まらない、との強いメッセージだ。

 奥井の言葉通りに積極的にアタックを続けると、気付けばバック本数は急増し、確定板に載る機会も増えていった。これだけ先行しておけば、周りの選手たちからの認知も高まる。今後はただ駆けるだけではなく内容も問われることになる。

「これまでは上げて、上げて先行することだけ考えていましたが、相手に脚を使わせてから駆ける、とか組み立て面も大事ですよね」と自身も課題を自覚している。

 思えば奥井も最初から強かったわけではない。愚直に長い距離を踏み続けて〝先行日本一〟の称号を得るまでに至った。岡田もこれから、走りの幅を広げながら成長していく。

Q&A

 ――趣味は

 岡田 地元の友だちとの外食ですね。高校時代は食べ放題ばかりでしたが、今はおいしそうなお店を予約して。みんな仕事をして稼ぐようになったので、プチ贅沢(笑い)。(吉川)美穂さんに教えてもらった海鮮のお店もよかったです。

 ――養成所時代に仲良かった選手は

 岡田 みんなと仲がいいんですよ。(今西)瑠花さん、(伊藤)木々音さん、北岡マリアとかは常に一緒にいましたね。

 ――引退した父(岡田篤氏=79期)の近況は

 岡田 すごく元気ですよ! 今は、どうしてか、YouTuberになっちゃいました(笑い)。

 ☆おかだ・ゆほ 2003年7月20日生まれ、和歌山県出身。169・7センチ、66キロ。競輪選手の父・岡田篤(引退=79期)氏の影響を受けガールズケイリンの道を歩み出し、7月福井で本デビューを果たした。