名古屋競輪GⅠ「第79回日本選手権競輪」は3日、5日目を開催し、ファイナリスト9人が決まった。その一人・菅田壱道(38=宮城)は思いの詰まる名古屋の地でGⅠ初優勝を狙う
準決11Rは「犬伏(湧也)君のカマシについていくところ。そこに集中していた」と狙いを絞り、それを遂行して位置を取ると、3番手から鋭く伸びて1着で決勝へ。「絶好調と言わざるを得ない」と笑った。
レースの前には、名古屋、を思い出させる話があったという。「(佐藤)慎太郎さんから『名古屋は相性いいから』って声をかけてもらって」。2019年8月オールスターの決勝が脳裏に浮かんだ。北日本4車の先頭で風を切り、新田祐大の優勝だった。慎太郎はその時の準優勝。カズミチが〝名古屋で活躍する男〟ということを思い出させていたのだ。
その年――。菅田としてはオールスターの後にあっせんが止まる事情もあり、決勝でいい着が欲しい局面だった。だが、北日本ラインのために、駆けた。
涙をこらえ、その時のことを思い出した。「優勝して、思いっきり泣きます!」。北日本のためにの思いを爆発させ、カズミチはあの時「GⅠ優勝を手にする男」という立場になった。あれからもうすぐ6年。最終日(4日)の決勝は新山響平の番手と、最高の位置が巡ってきた。「絶対、優勝します」――。