127、128期の新人選手にスポットを当てる「Challenge! 新人競輪選手紹介」。今回はGPレーサーに刺激を受けながら日々精進する山本和瑳(かずさ、24=神奈川)に注目した。
大学(日体大)時代には2023年インカレのタンデムスプリントで優勝した経験もあるが、もともと競輪選手になることを夢見ていたわけでもないという。「周りが就活を始めたころに、なんか普通に就職するのも嫌だなあ」と〝就職先〟として輪界の門を叩いた。
ただ、競輪には縁があった。
「中学生時代は軟式野球をやっていたんですが、チームメイトに誘われて自転車に乗り始めたんです。実家がびわ湖の近くで、よく湖畔などをサイクリングしていました。その友達のお父さんというのが、滋賀77期の山田康博さん(引退)だったんです」
進学先には自転車競技部のある滋賀県立瀬田工高を選んだ。近隣の大津びわこ競輪場は2011年3月の最終開催後もバンクは使用できたが、入学前の2017年2月で閉鎖に。
バンク練習は京都の向日町競輪場まで足を運ばなければならず、ロードが中心になった。当時は「全国大会に出たことがあるだけで強い選手ではなかった」が、日体大OBの自転車競技部顧問に「大学でも続けたい」と訴えて推薦入学にこぎつけた。
大学4年時に日本競輪選手養成所を受験し、一発合格。実家に近い京都や福井、奈良への所属も考えたが、大学から一番近い川崎を選択し、対馬太陽さん(神奈川85期=引退)の勧めで小原太樹(神奈川95期)への師事を決めた。
同門にはグレードレースでも活躍する青野将大に新村穣、1月の大宮記念二次予選で古性優作を撃破した売り出し中の塩島嵩一朗がいる。なにより「細かいことは言わずに、自分の好きなようにやりなさいというスタンスでいつも温かく見守ってくれる」という小原の存在が心強い。
そんな師匠を〝お母さん〟に例えるなら〝お父さん〟は昨年末のグランプリを制した郡司浩平だ。
「練習でも一本一本の集中力がすごい。軽い気持ちで乗り方について質問したら一から十まで丁寧に教えてくださって、さすがに恐縮しました。僕の落車でケガをさせるわけにいかないし、練習でも緊張感があります」
目指す選手像は「タテのある追い込み」で「一流選手の後ろを固めるのが自分には合っていると思っています」と話す。そのためにも「長い距離を踏めるようになれば突っ張りはもちろん、イン粘りにも生きてくる。行けるところまで自力でやって、引き出しを増やしていきたい」。最高の環境に身を置き、地道に研さんを積んでいく。
Q&A
――日々の生活
山本 川崎で一人暮らしをしていて、食事は自炊がメインです。お米は一食で2合ぐらい食べるようにしていて、体も大きくなってきました。
――オフの過ごし方
山本 映画を見ることが多いですね。今さらですけどハリーポッターシリーズにハマっています。
――賞金の使い道
山本 靴や服にも興味はありますが、ほとんど自転車に使っています。好きな寸法のフレームをつくったり、パーツの購入とか。親には感謝の気持ちを込めて〝ぜいたくな食事〟を楽しめるぐらいのお小遣いをあげました。
――競輪のお勉強
山本 チャレンジからグレードレースまで見ています。東スポさんの全コメもマメにチェックしていますよ(笑い)。
☆やまもと・かずさ 2001年4月11日生まれ。滋賀県出身。172センチ、77キロ。滋賀県立瀬田工高で自転車競技をはじめ、日本体育大学を経て輪界へ。師匠は小原太樹(95期)。