小田原競輪FⅠ「万葉の湯杯争奪戦」は17日に2日目を行い、新人127期の野中龍之介(24=神奈川)が4R準決を制して通常開催での連勝を「8」に伸ばし、S級への特昇に王手をかけた。

 想定外の展開にも落ち着いて対応した。前受けから後ろ攻めの山口龍也を突っ張り、阿久津浩之が駆けてくることも頭に入れていたが「緩んで後ろが見えづらいところで思っていた以上に強めに来られて出られてしまった」。それでも無理に踏み合わず3番手を確保。内から攻めてきた山口に警戒しつつ仕掛けて最終ホームで出切ると、そのまま力強く押し切った。

 最後もしっかりと踏み直し「初日に2周半駆けていたので楽でした」。初日特選を制している番手の小菅誠も「仕掛けが上りからだったのできつかったし、抜ける気がしなかった」とお手上げの様子だった。これで野中はS級への扉に手をかけた形だが、18日の11R決勝は一筋縄に行きそうもない。

 別線は岡山の龍野琳太郎―田中和磨の自力型2枚が並んで3番手に前反祐一郎。真船圭一郎が単騎で一発を狙い、都築巧は悩んだ末に「4番手では勝負権もないし、ゴチャついたほうが面白い」と野中の番手で小菅との競りを選択した。野中にとっては後位での競りは「今まで経験がない」。小菅からは「自分が勝つ組み立てをしてくれればいい」と背中を押されているが、最大の試練を迎えた格好だ。

 同期では昨年末に丸山留依、養成所時代に在所1位だった尾野翔一が8連勝しながらS級への特昇を逃している。しかも尾野が涙をのんだのは1月末の当地だった。それぞれのレース映像は野中も確認しており「どちらも後ろから行って煽られて不発に終わっている」と負けるパターンはインプットしている。

 結果は神のみぞ知るところ。「負けても死ぬわけじゃないし、出し切ることだけを考えます」。野中は腹をくくって大一番に臨む。