28日に開幕する「KEIRINグランプリ2023」シリーズを盛り上げるFⅠ「寺内大吉記念杯」には金子貴志、村上博幸、そして三谷竜生(36=奈良)とかつてのグランプリ王者が3人参加している。2018年大会の覇者の三谷は脇本雄太マークから栄冠を手にした。

 長らく近畿勢の先頭で戦ってきた三谷の貢献度はズバ抜けて高く、仲間の中でも特別な存在だ。ゆえに、脇本の番手はこれまで三谷の指定席だったが、あれから年月がたち最近では古性優作の定位置となっている。

 重なる落車でケガに泣かされるなど紆余曲折あり長らく低迷していたが、今年2月にはグランプリを制した18年以来5年ぶりに地元記念を制し、同月の高知全日本選抜では3年ぶりのGⅠ決勝進出で3着、さらに9月青森GⅡ共同通信社杯でも決勝に乗るなど、再び表舞台に返り咲いた。

 36歳とまだまだ老け込む年ではない。来年は脇本、古性を支える番人役として完全復活を果たし、再び近畿軍団の要となる。「(2人に)負けないよう自分も頑張る。今回は追加だけど入る予感があったので準備はできています」と持ち場に徹し、30日の大一番を控える両者にいい流れをつくる。