2024年4月26~28日にガールズケイリンのナイターGⅠ「第2回オールガールズクラシック」を控える久留米競輪場が熱い! 久留米市商工観光労働部競輪事業課の矢野功治課長に、久留米競輪の現在とガールズGⅠ招致への思いを聞いた。

 久留米市商工観光労働部競輪事業課の矢野功治課長が現在の立場に就任したのは2022年度だが、「20年くらい前にも競輪事業課にいたことがあるんです」と競輪への理解は深い。

 ただ「当時とはだいぶ変わってますから。ナイター開催もなかったですし、ガールズケイリンやミッドナイト、モーニングもありませんでした。7車立てもなかったですし、印象はだいぶ変わりました」。激動の時期を経た競輪をさらに盛り上げていくため、力を注いでいる。就任時はコロナ禍にあったが「順調に売り上げは伸ばせている状況です。記念以外にもナイター開催の好調さを生かせているのかな」。

 そして久留米を活気づけるための一つの強みとして考えているのがガールズケイリンの選手たちだ。今回、4月ガールズGⅠのオールガールズクラシック開催をつかんだ背景には、児玉碧衣や小林優香をはじめ名だたる選手が久留米に所属することがあった。

「地元でガールズの強い選手を抱えているので、(23年に新設された)新しいGⅠタイトルを地元で、となると選手たちのモチベーションも上がると思います。そこで選手会の方も盛り上がってくる。そういった部分で開催したいな、と考えました」

 男女の違いはあれど、久留米では16年の全日本選抜以来となるGⅠ開催。強豪がしのぎを削るレースに「地元のお客様にグレードの高いレースを誘致したいという思いもありましたね」と熱く語る。

 23年は10月開催だったオールガールズクラシックだが、24年は4月に移行される。すでに「イベントやテレビ、ネットも含めた広告の部分はもう準備は進めています」と様々なファン層にしっかりと届けるため、前進している。久留米勢への期待はもちろんとして「実績のある選手もいるんですけど、そこまで実績のない若手の選手も決勝に乗れるくらい出てきてくれれば」。ニュースターの誕生も見てみたい、という思いは業界の盛り上がりを狙う意味もありつつ、一人の競輪を愛する者としての思いのように聞こえた。

久留米競輪場は自然に囲まれた美しいバンクだ

 久留米競輪場といえば周囲を木や池が囲み自然豊かなことも特長だ。一方で施設自体は改修していく。

「施設自体は古くなってきているので順次、リニューアルしていく計画は持ってます。競輪をやることで収益が出ているので、(開催は)止めない形で順番に解体しながら、建設しながらという方向です。自然に囲まれたいい環境は生かした形で競輪以外でも足を運んでもらえるようになれば。サイクルファミリーパークも隣接しているので、そことの相乗効果も狙いながら、ですね」

 時代にあった多角的なアプローチで創造していく。

 今の競輪界については「ガールズケイリンとか7車立てとかで競輪の面白さに入ってもらえるハードルは下がっているのかな、と思います」と分析。その中で「そういった方々がより魅力的に感じる形でレースを生で見て迫力を感じてもらえるようになれば、まだまだいけるのかなと感じてます」。矢野課長の競輪の魅力ポイントは「競輪は地区とかで役割を持って戦っている部分は面白いと思います」。様々な形態のレースを楽しみつつ、新しいファンが競輪の深さを味わってもらうことに期待していた。

 最後には24年初夏の熊本競輪の再スタートに触れつつ「以前いた時から熊本競輪場さん自体がファンのみなさん含め“熱い”感じでしたし、九州の競輪のエンジン的な役割が戻ってくるのかな。そこで盛り上げて全国に波及していけばいいですね。熊本の選手も強くなっていますし、それで(九州地区として)久留米も上がってくれば。そして、SSの選手が欲しいですね!」。

 久留米から、九州から、全国へ――。オールガールズクラシック開催を起爆剤に情熱の炎を拡大させていく。