123、124期の新人選手を紹介する「Challenge! 新人競輪選手紹介」。山口優依は転職を繰り返した後にガールズケイリンにたどり着いた異色の経歴の持ち主。自身を〝陰キャ〟と分析する個性派に迫った。

 ガールズケイリンにたどり着いた裏には母から言われた「脚が太いし、やって(目指して)みたら」という衝撃の一言があった。

 山口自身がロードバイクに乗っていたことを見ていた上での助言だったが、「当時は20歳くらいで言われて無理だろうと思ってました。でも、25歳の転職したいと思ったタイミングで〝人生一度きり〟だし、やってみようかな」と選手を目指すことを決意した。

 しかも「うちは公営競技を誰もやってなくて、何かの記事で(母が)目にして『やってみたら』という勧め方でしたね」。どういう世界かを家族の誰も知らない地点からスタートを切った。

 単に25歳で転職というわけではない。18~20歳までは美容師のアシスタント、その後は郵便局の配達員を約4年、体のケアのトレーナーも経ての決断だ。自分を「一つのところに留まれないので(笑い)」と分析しつつ「それで、仕事で各地回りたいな~とかも考えて、その時に母の一言を思い出して、マラソンもやっていたので少なからず体を動かしてご飯を食べたいとも思っていたので」。

 とはいえすべてが未知の世界。「初めはグーグルで競輪選手になるには、って調べてJKAが出てきて、JKAの方に連絡を取って『愛好会に参加したら選手の方と関われますよ』って言われて」と、現代らしい手段も使って輪界とつながりをつくり、2回目で養成所の試験を突破した。

 一つのことに留まれないのは髪色も同じ。取材で見るたびに変わるカラーについて「一番個性を出しやすいのは髪の毛かなと思いますし、第一印象で『この人、変わっているな』と思われやすいので」。変人と思われたい――その心は「なんか独自のものを持っていたいというのもありますね。でも、心情は引っ込み思案で陰キャなんですけど(笑い)」。わちゃわちゃするのは好きだというが「でも、本当は根暗なので(周囲には)ビックリされますね」。

 選手として最初に目標としたのは奥井迪と日野未来。「2センターや4コーナーでカマして着に残れる選手になりたい。でも、まだその脚力ができてない。着に絡めたり勝ちにいける選手になりたいのはあるし、その中で脚がついてきたら、お2人の様に脚で強い選手になりたいです」。久留米にも出向いて練習を重ねる中で短期目標には競走得点52点と初優勝を設定。転職を経て天職に就いた先には陰ではなく陽な将来が待っている。

Q&A
――アニメやマンガも好き

 山口 好きなんですけど、(一つの作品に)入り込めなくて。満遍なく好きな感じです。入り込んでいるファンの方に失礼だし今のオタクではなく、私はいにしえのヲタクです(笑い)。

――同期とアニメの話もする

 山口 アニメ好きなら宮西(令奈)とかですけど、別のジャンルなんですよ。私はポケモンだと初代だけど、宮西は最近なんですよね。

――一押しのポケモンキャラは

 山口 結構いますけど…ガーディが一番です。

――好きなタイプ

 山口 トークが面白い人がいいです。

――自己アピール

 山口 四字熟語とかも浮かばないけど…変人奇才でお願いします。それは中身ではなく、見た目的な意味で(笑い)。

――読者へ一言

 山口 車券に貢献できるように誠心誠意頑張るので、よろしくお願いします。

☆やまぐち・ゆい 1994年10月27日生まれ、愛知県出身。164センチ、66キロ。師匠は高野輝彰(83期)。趣味は音楽ライブの観戦とウサギのショート動画を見ること。