前橋競輪のGⅢ「第12回施設整備等協賛競輪in前橋 桜花爛漫!まえばし春風賞」は27日初日を開催し、2023年7月の前橋記念ファイナリストが白星スタートを切った。

 地元の小林大介(47=群馬)は一次予選8R、強引にまくった蕗沢鴻太郎を渾身のハンドル投げでチョイ差し。場内のファンから歓声が上がると、恥ずかしそうにしながら右手を挙げて応えた。「一周以上なら(抜けるかも)って思ったけど、半周でもいけましたね」と好発進に満面の笑み。

 その2年前の地元記念。二次予選の勝利者インタビューで、大粒の涙を流していたのを覚えているファンも多いだろう。実は当時から長い間、体の不調に悩まされていたのだ。

 ただ「無理できない状態が続いていたけど、今年の2月くらいからようやく追い込んで練習できるようになった。初日も強い鴻太郎を差せているし、感覚も良くなってきている」と長いトンネルを抜けて光が見えるようになってきた。

 地元GⅢは10年前の2015年、決勝2着が最高成績。気配は点数以上なだけに、ひそかに今大会での〝最高成績更新〟を狙っている。「やっぱり地元は違うので。一戦一戦頑張って、まずは決勝までいければ」。二次予選は通過点にすぎない。